【中国ドラマ】「長安 賢后伝」感想:過酷な運命に耐え忍ぶ男主を愛でるタイプのドラマ

中国ドラマ

BS12にて放送されていた中国ドラマ「長安 賢后伝」を見終わりました。
全61話(元は56集)。
原題「长安诺」(2020)

普段は手を出さないジャンルのドラマなんですが、今ハマっている成毅さん目当てで視聴しました。
悲恋とか、見ててただただ辛いよな〜とは思ったのですが、せっかくBSで日本語字幕付きで見られるし、しかも古装の成毅さんはまだ見たことないし…ということで見始めました。
…ら、悲恋どころか「男主イジメ」じゃない?!というレベル。見ててほんとに辛い。
成毅さん見たい→辛い→見たい→辛いという無限ループでなかなか進まず w

ただお話の構造としては最終的に「ああ、そういうことを描きたかったのか」と腑に落ちましたし、話の展開的に「それはないでしょう」という無理めな飛躍もなかったので(ただただ酷いキャラがいて、運が悪いだけ)その点は良かったですが。

でもやっぱり苦しみに耐え忍ぶ男主を愛でられるくらいのメンタル(?)がないと、”楽しむ”ことはできない作品だな〜とは思いました。

主なキャスト

蕭承煦(盛州第九王子):成毅

賀蘭茗玉(雍臨郡主):趙櫻子

蕭承睿(盛州第三王子。蕭承煦の異母兄。妻の賀蘭芸琪茗玉の従姉):韓棟

凌蓁児賀蘭茗玉の侍女):梁婧娴

蕭啓翰蕭承睿の長子):韓承羽

蕭承軒(盛州第十王子。蕭承煦の同母弟):趙文浩

印象に残ったところ

※この項目はちょこちょこネタバレします。

想像していた話と違った

「長安 賢后伝」という邦題や、日本版のイメージビジュアルから”賢くて強い女帝の半生”みたいなものが描かれた作品なんだろうとなんとなく思っていたのですが、実際見てみると”全てを奪われた王子が過酷な運命にどう抗っていくか”というストーリーに思えました。よく見るとクレジットも成毅さん演じる蕭承煦が先頭に来ていますし、なんなら使われた写真の元々の構成は蕭承煦が一番大きいくらい。(別ver.のイメージビジュアルでは賀蘭茗玉を挟んで蕭承煦蕭承睿がいる構成ではあるもののバランス的に3人の大きさは同じ→Wikiとか百度百科で見られます)。

ただ蕭承煦は途中退場してしまうし(めちゃくちゃびっくりしました!)、最終的に生き残ったのは賀蘭茗玉のみですし、ヒロインを主軸に売り込んだ方が日本ウケがいいと判断されたんでしょうかね?(女帝系ドラマは人気ですもんね)
なんで私がこんなことをネチネチ突っ込むのかというと、これを賀蘭茗玉のストーリーとすると、ちょっとこの人狡いなと思えてしまう部分が後半にあって、そんなストーリーを描きたかったのかと疑問に思ってしまうので。
逆に蕭承煦を芯にすると想い人からの辛い仕打ちは”過酷な運命のうちの一つ”で済む感じ。
伝わりづらいですかね。

因みに元のタイトルは「長安の約束」。

とにかく男主が酷い目にあう

ここまで酷い目にあうってどんな人生?というくらい過酷な運命を辿る蕭承煦(もちろん賀蘭茗玉も大変な目にあってます。が、彼女に対してはちょっと思うところがあるので…)。

自分が継ぐはずだった王位を不当な形で兄に奪われる、その際に母を殺される、将来を誓った恋人を奪われる、真相を知った場合の報復を恐れている兄たちに命を狙われる、どんなに頑張ろうと謀反を疑われる、無理に娶らされた奥さんはヤバイ人、想い人を奪ったにも関わらずまだ恋敵として目の敵にされる、想い人を奪っておいて冷遇する、世代交代という千載一遇のチャンスもその想い人を盾に策を講じられ封じられる、血を吐く想いで譲った皇位を継いだ兄のバカ息子がやたら反抗する→敵対する、それでも「なんとか寛大に接してくれ」と母である想い人に頼まれる、バカ息子の敵対がやがて命をも脅かすようになり堪忍袋の尾が切れ皇位を奪いに行こうとするが一番理解してほしい想い人に「誓いを破ってはいけない」と釘を刺される、唯一の味方であった実の弟が病で呆気なく世を去ったうえ最期を看取れず、疫病対応中に自らもかかってしまい命の危険に晒される、想い人の閨蜜とも言える侍女が説得しやっと彼女が一緒に隠棲してくれる運びになった矢先に、以前自分が取り立てた元敵国将軍が寝返り、病み上がりの体をおしての遠征に屁理屈で着いてきたバカ息子が戦術を乱したうえ敵に囲まれてしまい助けに行って毒矢に射られ”退場”。そして物語は続く…。

ひ…ひどすぎる!
(男主に起こった酷いことを羅列したら、ほぼあらすじになっちゃったw)

これが見ていて腹立たしいキャラならともかく、志が高く、能力も意欲もありカッコイイ人がこんな目にあうんですよね。これは見ていて辛い。どんなに努力して自分を高め作戦を練っても、本当に欲しているものにあと少し手が届かず報われない(死んだ後に皇帝に追封されてもねぇ)。

やりきれない。

劇伴(BGM)、「孤高の花」からの流用では?

歌詞の付いた曲は違うんですけど、劇伴(劇中のBGM)の一部に聞き覚えが…。
「わかった『孤高の花』だ!」となった時はスッキリしましたありがとうございますw
この曲知ってるな〜と思って、試しに口ずさんでみたらちゃんと合ってましたw あれだけは本当に何回も見たので知らない間に覚えてたんです。3〜4曲…いや、もっとあったんじゃないかな?
多分、そうだと思うんだけどな〜。

内容について思うこと

※この項目もちょこちょこネタバレします。

男同士の権力争いは見もの

男主である蕭承煦の過酷な運命について散々書き散らしましたが、彼も男同士の権力争いという面ではジリジリと力をつけ最終的には皇帝である兄にさえ警戒されるほどに強くなり、政敵を着実に抑え込んでいったので、こういったパートは見ていて爽快でした。
戦では国一番の将軍であるだけでなく、政治的な面では政敵の腹心を取り込んだり、高度な駈け引きをしたり…頼もしいばかり。

ほんと、彼自身が言うように唯一の弱点は彼の想い人である賀蘭茗玉のみで、それさえなければ皇帝にさえなれたのに…。奥さんのことも含め、女運はめちゃくちゃ悪いのかもしれないw

そもそもの発端

よくよく考えてみると、この話の”元凶”は父王である蕭尚遠が後継者を承煦にしたことだと思うんですよね。誰にもそんな素振りを見せずにいきなり、しかも遺言で、まだ子供の承煦にいきなり任せるなんて、流石にムリがあるw
年齢・経験・他の兄弟への影響力という観点で適任だった蕭承睿の政治的思想が、たとえ蕭尚遠と相反していたとしても、当時の承煦ではあまりに子供すぎたし、王妃の伝え方もまずかった。王妃も承煦のことを心配するなら「遺言は無い」と押し切れば、こんな災いは起きなかっただろうに。

承煦推しの私でも、正直あの時点では蕭承睿が王位を継ぐのが妥当だと思いましたし(”補佐”なんて兄たちがそんな立場に甘んじるはずがない)、承煦もそんなことがなければ素直に兄を支えることもできるし、無理をすることもなかっただろうし、苦しむこともなかった。

父王のやり方が最悪だったために兄弟や母まで巻き込んで最悪のコースを辿ることになって…。
まあだからと言ってあれではやり方が汚いのと、承煦の母を殺したことでバレた時に一生の恨みを買うのは必至。また茗玉を奪われることにもつながって…。この物語の下準備は出来上がりw

そう。全部父ちゃんのせいw

印象に残ったキャラ

※この項目もちょこちょこネタバレします。

蕭承煦:成毅

成毅さんを見たいがゆえにこのドラマを見ましたので、それはもう…大満足です♪

聡明で武術に優れ公明正大で一途な蕭承煦。もちろんカッコイイ♪
ブレイクされた”ファンタジー系”でない古装姿もスッキリして落ち着きがあって素敵でした。今まで現代ものでしか見たことがなかったので…(それも珍しいのかもしれないけど)

また青年期~中年まで長く演じられて眼福。
演じられた当時は28歳だったとどこかで聞いたのですが、中年期の落ち着きも全然ムリがなく、しかも素敵でした。青年期はちょっとあれ?って思ったけどw(いきなり状況が分からず「この人、ちょっと落ち着きがないな」と思って見てたんですが、まだ子供だったというw)

戦のアクションシーンもかっこよかった!死の直前の李嗣同との一騎討ちのシーンのアクションは特に印象に残っています。あの、肘で剣をグーっと押し込むやつw

また死後に、茗玉の幻想で現れて肩を抱いてくれるんだけど何も言わないってシーンも良かった。承煦の姿が若いんですよね。
豆瓣でファンの方がまとめた”承煦の衣装一覧”みたいなものによると、茗玉蕭承睿に嫁いですぐ、儀礼に則って兄弟の王子たちに献茶するシーンの衣装だったようです。髪型は大人のまとめ髪でしたが)

これ…ご本人の声で見たかったな〜。声優さんはさすがのお仕事ぶりでしたけど、やっぱりご本人の声が聞きたい(せめて青年期だけ声優さんとか)。

承煦と茗玉

以下、特に女主に感情移入して感動された方には全く面白くない感想を延々語りますw ま、感想は人それぞれということでm(_ _)m

皇帝である蕭承睿に隠れて承煦茗玉がお互いを命懸けで助け合うというのはスリリングだしキュンとするところもありで私的にも良かったんですよ。
ただその”共通の敵”とも言える蕭承睿亡き後がなんとも酷い運びで…

茗玉がつれなすぎる…というか、太后になってからは、あまりに都合よく承煦を使ってないか?と思えるんですよね。摂政王にしてあげたから、後はこっちの言いなりになれって?
こうなってくると茗玉の魅力が分からなくなる。承煦はなんでそこまで受け入れるの?もはや彼の言う「習慣」?

?が止まらない。

蕭啓元が素直で立派な皇帝に育ってくれたら流れは全然違っただろうけど、あんなに周りに影響されやすく、捻くれ者の怠け者だったとは。
茗玉の子でもあり承煦も熱心に教育していたのに、やはり蕭承睿の血の影響は大きいのかw(でも蕭承睿は優秀だったのに)
それにしても蕭承睿蕭啓翰蕭啓元は親子だなぁと思えます。ちゃんと引き継いだ性格がある!(決して好かれるポイントではないだろうけど)

太后になった茗玉承煦が二人で城の楼閣で話した時、立場上の問題がなければ、いつか一緒になる気はあるかと聞かれた茗玉が、もはや家族の感情でしかないと答えたけど、それが心の底ではどういう感情だったのか、正直あまり伝わってこなかったんですよね。

承煦が「それは本心ではないだろう?」と食い下がった(?)ので、茗玉の本当の気持ちによっては承煦が「いつまでも過去を引きずってるしつこい人」にも「立場上、二人の将来はないとしか答えられないのが本当は辛いという茗玉本心をしっかり理解している人」にもなり得るので、実はこれは重要なポイントだと思うんです。男主の見え方が正反対になるので。

後者の方が(高度な芝居になるけど)二人の絆に感動できるんだけど、前者の場合、女主は元恋人を都合よく使うだけ使って(いくら突き放しても承煦は絶対自分の期待を裏切らないと確信しているので)突き放すという、なんとも酷いストーリーを見せられてる気分になるのですが。

そもそも全編通して茗玉の表情はちょっと硬めだったし、悲しみ(おそらく)のシーンでも表情が強ばっていて正直どう思ってるのか分かりづらかったので、若干…特に後半は承煦の一人相撲に見えてしまったんですよね。

承煦亡き後「私の勇気が足りず一歩踏み出さなかったので、承煦を待たせるだけ待たせて結局成就しなかった。私が間違ってたの?」みたいに自問自答してたけど、見てる私的には「ええ、その通り」という気分に。

承煦には彼の愛情を頼りに自分の言い分をゴリ押しし、また彼が帝位を奪うことは自分自身の誓いに反することだろうと釘を刺し、それならと承煦が出したたった一つの要求(茗玉さえ着いてきてくれたら地位も捨てるし、権力も玉璽も何もかも譲る)に対しては息子が笑い物になると拒絶する。
”私や周りの者は生きていられるのか?”という承煦の問いに、”必ず命は守るし、もし守れなければ後を追います”なんて「いや、そうじゃないでしょ」ってツッコミを入れたくなる。あと”最低限の命の保証しかない”という冷たさ(ただ生きてなんの希望もない人生を送らせる気?)。

承煦が言うように、彼の気持ちを全く考慮してないんですよね。

茗玉の要求の一切は承煦にとってなんのメリットもないということを、気づいてないわけないのに正論で押し切ろうとする(彼には情で動かせているのに)。そのくせ時々「承煦の悲願を私の為に諦めさせた」と泣いてみせる…いや、口だけじゃない!?

なんか自分だけ安全圏で(息子に怒るにしても詰めが甘く、結局納得させきれてなくて、余計承煦に対して悪意を抱かせるだけ)、承煦にはバカ息子の教育を押し付け(拗れてる当事者同士で解決するのは無理でしょ)、無茶ぶりに耐えさせ、命懸けで戦をさせ、というふうに見えるんですよ。
もちろん茗玉は皇帝の母になったのだから自分の恋愛よりも子供を優先させるというのは当然わかりますが、そうだとしたら(=愛情に応えられないのだとしたら)承煦に対してあれほどまでに過分な要求はできないと思うんですけどねぇ。どこか甘えがあるのかしら。
承煦蕭啓元のことをやっぱりヤツの息子だ!と言ったのは私も同感。承煦に対する敵対心はDNAレベルで引き継がれていたような…)

最終的に一緒に隠棲することにしたのも閨蜜とも言える凌蓁児が説得してやっとのこと。理屈は承煦の訴えと全く同じなのに蓁児のいうことなら聞くのね。承煦のこと、なんだと思ってるんだろう?

まだ蕭承睿がいた頃は二人で陰ながら協力し合ってる感があったけど、代替わり後はもう不公平だし、またそれを「賢い」と賞するのは違和感。どちらかと言うと「狡賢い」んじゃないかと。
ほんと、蘇玉盈じゃないけど「茗玉のどこがいいの?」とは、私も思ってしまう。このドラマ、それでいいんですかね?

承煦もいい加減どこかで手を引いても良さそうなものなのに、長年の屈辱からくる意地もあり、なんと言っても”惚れたもん負け”なので、どうしようもない。

また辛いのは、これだけ承煦が苦労して耐えて譲った皇帝が呆気なく世を去ったこと。なんだったん?って感じでしょうね。私でさえ唐突すぎて「は?」となりましたから。

ま、蕭啓元も自分に本当に愛する人が出来てからやっと親世代の苦労が分かった…悲劇の繰り返し…という構造のドラマだったんだと分かった時は、なるほどね、とは思ったのですが。(それにしても男主イジメが過ぎるけど)

ま、そんな理由で女主に対してはちょっと…という感想になってしまうのでした。

蕭承睿:韓棟

承煦の三哥である蕭承睿を演じられた韓棟さんも、”優秀だけど器が微妙に小さい人”を絶妙に表現されていたと思いました。

この蕭承睿、根っからの悪人ではないし、多分自分に余裕があれば道理の分かる人でもあるだろうし、承煦は兄弟たちの中でも特別な存在だっただろうし、というところなんですがこのストーリーではとんだお邪魔キャラで。

思うに「人の目や評価を相当気にする人」なんだろうなと。そういう人が権力を握った時に色々勘繰ってややこしいことになるのかと。
そもそも世子でもなかったから、父王にも周りにも、自分こそが後継者に相応しいと見せつける必要があって、努力も気苦労もあっただろうけど、流れに乗れば後暗いことにも手を染めるという、ある意味ごく普通の人。

承煦に対する親のような情と、政敵としての警戒心との間で揺れ動くさまが巧みに表現されていたと思いました。(キャラとしては好きになれないけど)

ただそれだけだとまだ理解できるのですが、茗玉が絡んでからは二人を執拗に追い詰めるようになったのは、なかなか見苦しかったですねぇ。
そもそも息子と同い歳の弟の恋人に横恋慕して奪い取ったくせに(当時は知らなかったとしても)”真心がない”と駄々を捏ねるなんて、大人げないにも程がある(いや、年の差恋愛は当人同士が良ければ全然アリだと思うんですが、この人は一方的な片思いだから)。
綰音があんな最期を遂げて、やっと自分のしてきたことや、茗玉にとっての自分というものを思い知ることになっても時すでに遅しという感じなんでしょうね。

蕭承睿には色々イライラさせられたけど、奥さん(賀蘭芸琪)が結構ハッキリツッコミを入れる人で、まだそれは見てて救いがありました。

まとめ

そもそも進んで見るタイプの作品ではなかったので、さらっと見て「成毅さん素敵だった♪」で終わるつもりが、変なところで引っかかってしまってモヤモヤして、こんな風に延々書き綴ってしまいました。
ま、吐き出したらスッキリしますので、ドラマ鑑賞後の、これもルーティーンになりつつあります。

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