最近、意識が別の時間(時代?)に向いてしまっていて…なんて、そんな大層な話ではないのですが。
きっかけは、昔のVHSからDVDに焼いた映像が、時間が経って見られなくなったものが出てきてる…ということに気づいたことでした。
最初から認識されないディスクもあったり、再生は可能でも途中からおかしくなったりするものもあったりで、結局何枚もあるディスクを、全て通しで映像チェックすることに没頭してしまいました。
自分にとっては大事な青春の思い出とも言えるもので、これがなくなると結構悲しいな、という思いがどんどん強くなっていった為です。
思い入れの強さと、環境を再現できるブツがあること
映像は昔活動していた劇団の公演のもので、ただお客さんという立場で見たものとは違い、出演したり製作にも携わったものとして、細かでリアルな思い出が次々に蘇ってくるものですから、それがだんだんエスカレートして「これは誰が振り付けたんだっけ?」とか「あれ、この客演はあの作品の前か後か?」なんて些細なことが気になって確認しだしたりするようになりました。
そしてまた、それを確認できる資料が残ってたりするんですよね。
実際の紙などはさすがに残っていないのですが、片付けのテクニックである「データ化して処分する」という方法を取っていたため、おそらく実際の紙資料を押入れの奥から取り出してくるよりも容易にタブレットですぐ確認できてしまうのでした。
「手放すには気がひけるけど、現在の生活に必要ないものはデータ化(もしくは写真撮影)して処分しましょう」
また、各公演ごとにプログラム、チラシ、台本(リアルに書き込みのあるもの)、楽譜、香盤表・進行表(演劇などで使う、出番や進行、マイクの受け渡し、道具の出し入れなどを表にしたもの)、スタッフさんに渡す照明プラン、写真、礼状などなど、我ながら見事に(笑)整理してクラウドに上げてあるものですから、次から次へと芋づる式に紐解いてしまうのでした。
そうなったら今度は映像を見る目も作品や演技のチェックのようになってしまって、「あ、ここはこうした方が良いな」なんて思ってしまったり…(^^;;(もうとっくの昔に終わってるし、二度とできないし!)
香盤表のパワー(笑)
あと、特に演劇のご経験がある方なら共感してもらえるかな、と思うのが「香盤表」です。
あれって、何時間でも眺めてられるんですよね(笑)
「あ〜、ここの着替え時間がいっつも綱渡りなんだよな〜」とか、「この道具を上手から下手へ移動させるの、忘れそう」とか、「あの衣装、動くと着崩れするから、改造しといた方がいいかな?」とか、些細だけど妙にリアルな感覚が蘇ってくるんですよね。
尚且つ、それがもう全て終わってるので、プレッシャーからは解放されているという安心感(笑)
そんなこんなで妙にリアルな感覚に没頭して、ふと鏡で自分の顔を見たりすると(まあ、それなりに”経年変化”があるわけですから…)「ああ、そっか。随分前の話なんだな」なんて我に返ったりします。
この感覚、面白いです。
さらにエスカレート
自分の思い出返りは散々没頭したのち、今では「その頃ハマってた宝塚の公演ビデオを見る」ことにまで発展しました(笑)
見ながら「やっぱりいいな〜この生徒さん、好きだな〜。他の作品も色々見たいわ〜」なんて思うけど、これも、ふと我に返ると「あ、もうすごい前の話だ。皆さん、とっくの昔に退団されてるわ」って思ったり。
こうなってくると、自分の視界や思考では「ある特定の時代」を再現できてしまってたんだな、と気づきました。
そして、この状態がどんどんエスカレートすると、どうなってしまうんだろう…?なんて思ったりもして。
行って、帰ってきた感覚
別に「あの頃に戻りたい」とは思わないんですよ。
生粋の「めんどくさがり」ですから(笑)
色々知っててもう1回経験できるかと聞かれたら…正直、しんどいです。
だけど、一度感覚的に昔に戻って、また今に帰ってきたらすごくリフレッシュした気分になりましたし、私なりに色んな経験をしてきたんだな〜なんて改めて思いました。
色んな人に助けて貰ったな〜なんて、改めて感謝の気持ちも湧き上がってきましたし…。
ここ数週間、そんなことをしていてふと「ある日どこかで」という映画を思い出しました。
タイムトラベルものといいましょうか、時間を移動するお話なのですが、主人公がその手段として、身の回りのものを全て、行きたい時代のものにして催眠術をかける、ということをしていました。
まあ「時間とは幻想だ」みたいなフレーズも耳にしたことがある気がしますし、何より「強い思い込み」に勝るものはないでしょうから、あながち夢物語ではないのかもしれない…なんて。
あまり、過去に浸りすぎるのも後ろ向きとは思いますが、私の性質としても移り気なところが大いにありますので、一通り気が済んだら、また次は別のことで頭がいっぱいになるだろうとも思いますし、まあ、こうやって一時期思い出にがっつり向かい合うのも、何か必要があって、無意識に何かを得ようとしてるのかもしれないと理解して、気がすむまで没頭してみようと思います。
なんだかとりとめのない話でしたが、こんな日もあるってことで…。
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