ある程度の「大人」世代の方はその昔、VHS(ビデオテープ)を使って、残しておきたい映像の記録に勤しんでおられたことと思います。
そして更に時代は流れてDVDからBlu-rayへ。
どんなに時間が経って再生機器の様式が変わっても、まだ残しておきたい映像というのはどなたにもある…と思うのですが。
かくいう私もそういう一人で、「VHSなんてもう使わないよね〜」なんて言い出した頃から「これだけは!」という映像をせっせとDVDに焼き直していたのでした。
VHSと言えばテープというとてもデリケートな記録媒体の為、経年劣化や環境の影響で「伸びる・切れる・カビが生える」でお馴染み(?)。
状態の悪いテープを無理やりビデオデッキに突っ込んで操作しようとしたものの、伸びたテープがデッキの中で絡まってどうにもならなくなった、なんて話はざらにあったものです。
(もちろん私も経験者です)
切れたテープをセロテープでつないだこともあったな…(遠い目)
(ケースを開けて綺麗にテープを巻き直して切れた箇所をセロテープで留めた…までは良かったけど、ケースには小さなスプリングが仕込んであったりしてなかなかうまく閉じなかった。まるで「開腹手術」でもしているかのような気分になったもんです)
なんだかんだで時間をかけて一通りのVHS→DVDへの移行作業は完了し、それからしばらくしてビデオデッキも手放しました。
でもちゃんとDVDに移してるから大丈夫!なんて思っていたのですよ。
かれこれ10年以上は余裕で経っていることと思います。
何年かおきに気が向いて再生してもしっかり見ることができました。
いや〜、嵩も減ったし、早めに対応しておいて良かったよ、なんて思っていたのに…。
え、DVDって半永久的じゃないんですか!?
どう見てもテープという”か弱い”記録媒体よりは安心感のあるディスクという媒体。
何度再生しても「伸びる」なんてことないよね〜なんてすっかり安心しきっていました。
ところが…。
DVDに焼き直した映像は割と数が多く、その全てについて、定期的に再生できるかどうか試すことはなかったのですが、たまたま再生しようとしたディスクの内の何枚かは、数年という時間を経て、再生できなくなっていました。
結構ショックでした。
お気に入りだから手間をかけてDVDに焼き直したのに…。
直後には正常に再生できていたディスクが時間経過とともに再生できなくなる理由はいろいろあるらしく、ディスク自体の質が良くなくて物理的にダメになったパターンや、表面に細かい傷がいった為にデータの読み取りに支障があるパターンや、保管状態の影響などでデータそのものが壊れてしまってるパターンなど様々だそうです。
また、ディスクと再生機器の相性(メーカーの違いや年代のギャップなど)もあるらしいのですが、再生・録画機器は数年ごとにどうしても買い換える必要が出てくるので、それを考慮するのは難しい…。というか色々考えたところで、万全の体制をとるなんて不可能なんですよね。
DVD/Blu-rayプレイヤーで再生できなくてもパソコンだったら見られるものもあったりして、ショックも相まって「なんだこれ!?」状態でした。
市販のDVDにはそんな不具合はない…ように思うのですが。
自分で録画したものはやっぱり違うんですね。
死ぬまで見たいか?
まあ、時間経過というのは自分の中にもあるので、その当時は「絶対残しておきたい!」なんて思っていたものも、時間が経って「もう見れなくても、まあいいか」というものも出てきたりするので、それはそれで諦めがつくのですが、思い出系の映像はそうはいきません。
私の場合、劇団時代の公演の映像でした。
ドラマや映画と違って他に入手する手段がない為、自分(やメンバー)が持っているものが頼みの綱なんです。
ですが、自分のがダメになったということは、同じくらい年数が経っている他のメンバーのも大差ないだろうと容易に想像できます。
ということで、実はここ最近でその一番諦めのつかないジャンルである劇団時代の公演映像のディスクにも不調がみられるようになってきたので本気で焦っているのでした。
最初はBlu-rayプレイヤーで一部が再生できなくなり、それでもパソコンではなんとか再生できたものが、数日後にはパソコンでも再生できなくなっていたり…。
結構焦りました。
DVDにもバックアップが必要だったんですね…。
そうなってから、やっぱりこの手の映像だけは、自分が死ぬまで見られるようにしておきたい!なんて改めて強く思うようになりました。
だって老後の楽しみだったんだもの…(T ^ T)
歳はとったけど、まだ老後には届いてないよ…。
保険のVHSが実はまだある
結構用心深い(?)私は、ビデオデッキは手放しても劇団時代のビデオテープだけはどうにも捨てる勇気がなく未だに所有していたのでした。
ビデオテープさえあれば、万が一のことがあっても業者に頼んでなんとかできるかもしれないと思っていたからです。
これは本当に良かった。
持ち物の必要最低限化を進める中で、用済みで嵩の高いビデオテープが気になって仕方なかったのですが、やっぱりどうしても一歩踏み出せなかったのです。
でも良かった。
DVDというデータは壊れても、アナログなテープならまだ望みはあるかも!
それに、家族がビデオデッキをまだ残していました。
一応これでもう一度DVDに焼き直すことができる条件は揃いました。
いろいろ調べた結果、いろんな方法があるようでした。
1.ビデオデッキ→DVDにもう一度焼き直す(予備も焼いておく)→パソコンに取り込んでバックアップを取っておく
2、ビデオキャプチャを使って直接パソコンに映像を取り込む(パソコンに取り込んだデータからDVDも焼いておく)
このやり方でパソコン不要のタイプの機器もあるようでした(SDカードなどに記録するタイプ)。
ただこれはデッキもテープも、まだ正常に動くことが前提なのですが…。
作業をしてからもさらに年月が流れている為、テープの劣化はさらに進んでいることは容易に想像できますし、それはデッキにも同じことが言えます。
一度テープがデッキ内で絡まってしまったらそれこそ最後、なんですよね。
一見なんともないビデオテープでも中でカビが発生していたり、何年ものブランクの後にいきなり再生しようとして一気に切れたり、といった危険も考えられます。
デッキだって、久しぶりに起動して不具合がないとは言い切れない。
怖っ!(゚o゚;;
ということで、いろいろ考えた挙句「VHS→DVD」の作業は業者に依頼することにしました。
お金はかかりますが、業者さんならビデオテープに修理が必要な場合対応してもらえますし、デッキも家にあるものよりはるかに良い状態だと思うので…。
現在、業者さんにビデオテープを送付した、という段階。
業者さんの方でも現在依頼が多く、通常より日数がかかるとのことなのですが、急ぐものではないですし、プロにお任せしたという安心感でちょっとホッとした状態です。
うまくいきますように…。
追記:2018.5.20 ビクタータビングサービスを利用しました
何事にも保険は必要
ということで大事なものにはバックアップや保険は必要だな〜と痛感した出来事なのでした(まだ終わってないけど…(^^;;)
絶対に大丈夫なものなんてないんですね〜。
「形あるものはいつか壊れる」とはよくいったもの。
現在、ビデオテープは残ってないものの、まだ正常に作動するDVDで、消えるには惜しい映像をせっせとパソコンに取り込んでいる最中です。
ちなみにMacユーザーの場合は特別にソフトなどを導入しなくても「ディスクユーティリティ」でディスクのコピーができます。
(私もいろんなサイトを参考にさせていただいてできた者なので、私がここで説明することは控えさせていただきますが…。検索すればすぐに見つかると思います。簡単です)
DVDに焼いたから安心〜と思っている方、もしそれが大事な映像でしかも他に保険がないなら、DVDがまだ正常に再生できる内に、早めの対応をされた方が良いかと思います。
”その日”が急に来るかもしれませんから…(T ^ T)
(ホラーか)
※版権・著作権のある映像のコピーはNGです。ディスクの複製は個人的撮影データなどで利用しましょう。
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