YouTube YOUKUチャンネルにて中国ドラマ「七根心簡 The Seven Relics of ill Omen」(2025)を見終わりました。
全32話。
(ビジュアル、その他情報はこちら→百度百科)
YOUKU国際版アプリで視聴していた「蔵海伝」が半分を超えたところでぱったりと更新が途絶えてしまい(非VIPなんです)手持ち無沙汰になった頃YouTubeで更新が始まったこちらを見てみることにしました(VIPになったところで日本語対応はしていないのでそれもなんだかなぁって感じだし、「蔵海伝」はどうせ日本に入ってくるだろうし(そのためのジオブロですよね)でのんびり待つことにしました)。
本作、「司藤」(ドラマ邦題「半妖の司藤姫」→感想記事はこちら)や「西出玉門」(感想記事はこちら)の原作者尾魚の小説「七根凶簡」をドラマ化した作品で、封印されたはずの7つの悪霊(的なもの)が引き起こす不思議な事件と、それを追う5人の若者を描いた内容となっており、私もちょっと気になっていたものでした。
…ら、なんとこちらも半分を超えたあたりで更新がストップ(涙)。これが最近のYOUKUスタイルなんですね(前は時間がかかっても非会員にも全話公開されていた作品もあるのですが。まあそれは仕方ないけど、でもそうなら前もって言っておいてほしかった)。
こちらはアプリだけでなくYouTubeでも会員には全話公開されていますが(なのでアプリと違ってマルチサブ(複数字幕)対応)、私はドラマ視聴の”偏食”が強いですし、「これだけのために入るほどでも…」と思い、まあしょうがないかと諦めかけていたところ、なんとフルサイズ公開が止まったエピソードから最終話までとなる19〜32話を数時間にまとめた「長いラストをサクッと一気に見られるよ!」的な動画がアップされているではありませんか(ただしマルチサブ非対応)。まあそれならそれでありがたい、と視聴しました。
あとは百度百科のあらすじ(本作のは結構詳細に書かれています)を全て読み、それから複数のYOUKU系チャンネルでアップされていたハイライトやまとめ動画(これが侮るなかれ、複数のチャンネルを合わせるとゆうに100を超えます。これで、あらすじに出ていたエピソードも映像としてほぼ見られた気がします。ただしマルチサブ非対応の動画も多々ありです)を見て結構納得でき、一応「あれはどうなった?」などという疑問もなく結末までを知ることができました。
長い前置きになりましたが、そんな人が書いている感想だということを、一応前もってお知らせしておく次第です。
一度は諦めた結末ですが、これ、最後まで知ることができて良かったです。
というか、ラストの盛り上がりと収束の仕方がとても良かったです。最終的に面白かった!
ちょっと怖かったけど(笑)
主なキャスト
羅韧(鳳凰小分隊の一員。国外の紛争地域”黒砂”で特殊部隊員だった。闘技場でファイターをしていた過去があり、格闘スキルが非常に高い。チームでの属性は「金」):宋威龍
木代(鳳凰小分隊の一員。バー聚散随縁のオーナー霍子紅の養女。梅花九娘門下の軽功を得意とする武芸者でもある。チームでの属性は「木」):劉浩存
一万三(江照)(鳳凰小分隊の一員。バー聚散随縁でバーテンダーとして働いている。”一万三”は彼の借金の額が由来のあだ名。女好きで絵が上手い。チームでの属性は「水」):敖瑞鵬
炎紅砂(鳳凰小分隊の一員。トレジャーハンターの家系である炎家の後継者。チームでの属性は「火」):王奕婷
曹厳華(曹土墩)(鳳凰小分隊の一員。故郷を出てスリを働いていた。チームでの属性は「土」):張亦馳
神棍(沈木昆)(超自然的な奇聞異事の研究者。鳳凰小分隊の顧問的存在):楊皓宇
印象に残ったところ
ベタな展開なしでどんどん惹きつけられる
互いになんの関わりもなく、普通に生活していた5人の若者たちが次々起こる事件をきっかけに、次第に協力し合って対峙していくストーリーです。
この事件が起こるきっかけとなるのが、遠い昔に封印されたはずの「心簡」という悪霊のようなものでした。人に取り憑き、宿主をコントロールして大きな災い(主に殺人)を起こします。この「心簡」、タイトルから想像できる通り、七つ存在していて、それぞれ漢字一文字で表され、例えば「刀」なら刀を使った殺人を、「口」なら嘘で災いを起こし死に至らしめるようなシロモノ。
また、宿主が死んでしまうと新たな宿主に取り憑きます。
ただ、これらのことは最初、主人公たちは全く知らないことでした。
自分の身近な人のために関わったことが、不可解で猟奇的な殺人と繋がっており、その調査の過程で「心簡」というものの存在を知り、次第に七つの「心簡」を再び封じ込めるまで解放されない、という状況に追い込まれていくという流れです。
主人公たちもきっかけは当事者というより身近な人のための動きだったはずが、それぞれ自分の過去、それもトラウマともいえるものが関わっていることが分かったりして、話の展開が面白いなぁと思いました。
また見ているこっちも次第に「なぜこの5人だったんだろう」ということも気になってくるのですが、それにもちゃんと理由があったりして、本当によくできた話の運びだなぁと感心してしまいました。
本作、32話とそれほど長くない作品ですが、体感的には40話くらいあったんじゃないかとも思えるような情報量で見応えがありました。
絵面のホラーみが強め
事件が猟奇的と言いましたが、乗っけから怖かったです(笑)
惨殺だけでも充分鳥肌ものなのに、さらにその死体を釣り糸で…キャー!!(涙目)
照明も強い赤や青などが印象的で、結構ホラーみが強いなと感じました。
個性あふれる5人組の魅力
5人組とかチームとかって、それぞれ個性や強みがあって魅力的ですよね。誰かの弱点は誰かの強みだったり、そんな人間味も面白い。
※ほんのりネタバレ含みます。
羅韧
心簡で無敵ゾンビ化した凶悪犯人や組織を相手にする中で、やはり特殊部隊員だった羅韧はリーダー格。格闘スキルは勿論、冷静で理知的で頼れる男なのがかっこいい。
その上美しいビジュアル!(笑)私、動く宋威龍さんは初めてなのですが、本当にかっこいいですねぇ。責任感が強すぎて、なんでも一人で背負い込んでしまう人物でもあるんですが、凄くハマっていたと思います。
あと語らずにいられないのが羅韧の資金力!(笑)彼の「金については問題ない」を何度聞いたか!用意する装備、機材が部隊レベルで。あれは羅家の経済力?(実は彼がいたのは実家ではなく叔父の家。複雑な事情があったのです)それとも羅韧自身の稼ぎ?
メンバーそれぞれの活躍も大きいけど、彼の資金力無くしてもこの結末には至らなかったのは確か。情報屋の万烽火もかなり儲けたのではと思ってしまいます。
恋愛面では木代とカップルになりますが、ご本人もインタビューでおっしゃってたけど、羅韧は彼氏としては爹系男友タイプ(爹=お父さん。成熟していて頼り甲斐があって守ってくれて経済力もある)。おまけにあのビジュアルですからねぇ。強い!(笑)というか、ちょっとでき過ぎ。
猎豹(レオパード。黒砂のボス)は羅韧の人生最悪の災難ですけど、これって、まともに人間関係を築けない彼女の歪みまくった彼への好意(彼女自身も自覚なく)だったのでは?と思ってるんですよね、私。それが拒否された(まあ略奪や理不尽な要求なんて誰でも怒りますよね)ことが彼女には許せなかったのでは…とか思えて仕方ないのはやっぱり羅韧が魅力的だから?
木代
女主ですが、本当に大変な目にあってる人。
首を絞められるのも一度や二度でなく、土に埋められたりも。羅韧の彼女になってからは猎豹の標的になるし(彼女の攻撃は本人じゃなくて、周りの大切な人へ向けられる。ほんとにタチが悪い)、そもそも生まれ育った環境も酷かったりも。
鳳凰小分隊の面々は家族や家庭環境で苦労してる人が多いですが、木代もそういうタイプ。
ただ、師匠や師兄、養母や彼氏、仲間には恵まれて良かったね、という総括は、彼女の毒親の言ってることと同じになっちゃうけど…。
演じられていた劉浩存さん、可愛いですねぇ!顔もだけど、声と喋り方!そして足の長さにびっくりしました。
一万三
女好きのバーテンダーで借金を抱えてる、なんて一見チャラチャラして何も考えてない男みたいですが、彼も生まれ故郷での暗い過去を抱えている人物でした。
浮ついて見えるけど、実は頭が良くて鋭いし、絵は上手いし、ただのチャラ男ではない感じのキャラ。
演じられていたのは敖瑞鵬さん。私、初めて見たんですけど華のある俳優さんですね。
ご本人はイケメンだけど、役としては武術スキルがないことから曹厳華と二人でコミカル担当的な側面もあって、なかなか面白いキャラクターでした。
チーム内でみんなが曹厳華のことを曹胖胖と呼ぶ中、この一万三だけは”曹兄”呼びしてるの、なんかよかったなぁ(曹厳華も一万三のことは”三三兄”とか。いいコンビでした)。
炎紅砂
鳳凰小分隊への加入は一番最後だったけど、チーム内の属性(彼女は”火”)をストレートに表してるのが炎紅砂だと思いました。気丈でストレートで熱いタイプ。
彼女もこの一連の事件では大変な目に遭うし涙を流すことも少なくなかったけど、泣き喚くことなく、気丈に涙を拭ってグッと顔を上げている印象が強く残っています。
恋愛面では一万三とカップルになりますが、なかなかいいバランスだなと(笑)
演じられた王奕婷さんもすごくハマっていました。
(私も楽しみにしている「九門」(→百度百科)では前作の趙麗穎さんに代わって尹新月を演じられるという情報を見たのですが、そうなのかな?)
曹厳華
あだ名は曹胖胖。でも実際そんなにいうほどぽっちゃりって感じでもないと思うのですが。でも周りがめちゃくちゃ細いのは確か。
ぽっちゃりキャラの役割ってどのドラマでも鉄板の取るべきポジションてあると思うのですが、御多分に洩れず本作でも少し割を食いやすかったり、5人組で一人だけカップルからあぶれてしまったりなんですが、演じられていた張亦馳さん、大袈裟さがなく”しれっと”してるところが面白くて良かったです。(というか私好みの匙加減なのかな)
そういえば、「半妖の司藤姫」の時もいい役者さんだなと思ってたんでした。
鶏の曹放放を心の友にするつもりみたいですが、曹金花ちゃん(幼馴染で親が勝手に決めた許嫁)も素朴でサバサバしたいい子だし、あと数年したら一緒になってたりして、なんて思えてしまう(笑)
鳳凰小分隊ではないけど顧問的存在として…神棍
相当な変わり者だけど、フレンドリーなところが見ていて可愛らしいおじさんでした。
一つ印象に残っているのが、彼は友達認定した人を独自のニックネームで呼ぶのですが、大体「小○○」となります。ある時第七根心簡のことも「小七七」と呼んでいて炎紅砂(だったかな)に”その呼び方やめて”と突っ込まれていたのが”らしく”て良かったです。

アクションシーンの見応えが凄い
アクションシーンも多かったのですが、見応えありでした。
スピード感のある一対一の手技シーンも多くて臨場感があり見入ってしまいました。ナイフを持ってたりするので、凄いなぁと。メイキングを見てても結構なスピード感で撮っているので、皆さんほんとに凄いですね。
特にラスト近く、第六根心簡を身に備えた猎豹(レオパード)との死闘は手に汗握るシーンでした!ある意味ラスボス第七根心簡よりもクライマックス感があって。木代の師兄鄭明山も大活躍!(往年の香港映画のカンフースターを彷彿とさせる髪型!)
しかし、決め手となったのはまさかの曹放放=鶏とは(見た感じ雉っぽいんですが、鶏って言われてるような…軍鶏っぽくもあります。曹胖胖の精神的なパートナー)。彼?彼女?もラストではパートナーを見つけたようで良かった良かった。
アドベンチャー要素も
アドベンチャーパートもあってほんとにいろんな要素を含んだ作品だなぁと。
ちょっとした遺跡探検的なシーンもあるし、山奥深くで、体長2メートルを超えるような全身長毛に覆われた野人と戦ったり、ゾンビ、更には巨大な貝と戦うシーンもあって、鳳凰小分隊の面々はいつもボロボロの傷だらけ。心簡が取り憑くのは人間だけとは限らないんですよね。ほんと、大変そうでした。
ラストはメンタルを揺さぶってくる。人生の価値そのものが問われる
ラスト第七根心簡はメンタルを揺さぶってくるものでした。
命の危険はないけど、人生の中の後悔を補おうと過去に戻って違う行動をとったことによって、今、大切に思う人と、永遠に交わることない道を進んでしまう怖さを味わされる試練。
考えようによっては、一番の怖さなのかもしれない、ということなんでしょうか。
まとめ
7つの災いが起こり、本当に大変なことになりましたが、最終的な収束の仕方も満足度が高かったです。ちゃんとフラグは回収している感じですし、基本的にハッピーエンドで鑑賞後の気分も良かったです(←これ、私的には重要ポイントなので)。
一つだけ突っ込むとすれば、羅韧の盟友青木(英語字幕Aoki)が婚約者紀子(Noriko)にかけた電話が中国語だったことw
まあでもあちらのドラマでは何かと微妙なポジションが多い日本人キャラなのに、本作では男主の盟友というのが、なんだか嬉しかったです。
さてこうなったら「西出玉門」(→百度百科)も見ておくべきか!?なんて気にもなってきました(笑)
(YouTubeで全話見られそうです。白宇さん、倪妮さん主演のアドベンチャーもの)
追記:↓見ました。
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