BS11にて放送されていた中国ドラマ「江湖英雄伝~HEROES~」を見終わりました。
全38話。
原題「説英雄誰是英雄」(2022)→声に出して読みたい中国語 笑
(ビジュアル・その他情報はこちら→百度百科)
武侠ものというのは特に好んで見るわけではないのですが、”恋愛もの”と”ヒューマンドラマ”を回避してると数が限られてくるので、何か少しでもとっかかりがあれば見ようかなと思っております。
ところで本作、見終わった後がスッキリ!
武侠ものってみんなこう…なわけはないですよね。
主なキャスト
王小石(天衣居士の弟子。師匠の使いで玉の小箱をある人物へ届けるために上京する。四大神兵の挽留剣の後継者):曾舜晞
温柔(洛陽王の娘で紅袖神尼の弟子、金風細雨楼の若楼主蘇夢枕の師妹):楊超越
白愁飛(腕の立つ侠客。細柳鎮で王小石、温柔と出会い一緒に都入りする):劉宇寧
蘇夢枕(金風細雨楼の若楼主。四大神兵の紅袖刀の使い手):陳楚河
雷純(金風細雨楼と勢力を二分する六分半堂総堂主雷損の娘):孟子義

印象に残ったところ
盗墓筆記ファンから一言だけ
まず本作の内容とは全く関係ないのですが、盗墓筆記ファンから一言だけ言わせてください 笑
キャスティング!!ww
「終極筆記」の呉邪(曾舜晞)と黒眼鏡(劉宇寧)、「重啓之极海听雷」の黒眼鏡(陳楚河)の横に”無邪”ってこれ、盗墓筆記ファンに何か言わせようとしてます?ww
はい、以上です。
まあでもこれが視聴の大きな動機(というか”見逃せない感”w)になったのは間違いないです。
キレが良くスピード感があり、スローモーションを”使わない”アクションシーンの見応え
私自身、そんなにアクションシーンに詳しいわけでもよく見ているわけでもありませんが、本作のアクションシーンのスピード感はとても印象に残りました。
よくイメージするのは、ちょっともったいぶってスローモーションを使ったりといったアクションですが、本作はそうではない感じ。
出てくる人たちみんなが達人なので、見応えがありました。
江湖の個性豊かな侠客たち
やっぱりこういう武侠ものってキャラが立ってる人が多いですよね。
印象に残っているキャラもたくさんいます。
王小石:曾舜晞
期待通り、良かったです。一応本作を見た一番の動機でもあるのですが。
とはいえ、ファンとか推しとかではないんですが。でも見るといつも”ああ、いいなぁ”と思える。
ご本人の持ち味が、求心力を持った(主人公然とした感じ)好青年という感じだと思うのですが、それが毎回良い方向に出ているように感じます。
あんまり詳しくない私からすると武侠ものって、いかついオジ様がわんさと出てくるイメージなのですが、本作はもうちょっと世代も若く、しかも主人公が王小石でとてもまっすぐでオープンで人好きするタイプなので、とても見やすかったです。
そんな彼がどんどん成長していく姿も良かった。
曾舜晞さんって、誰と組んでも(男性同士のバディでも女性とのカップルでも)めちゃくちゃ馴染んでる気がするのですが、それってすごいことですよね。懐っこいオーラとか雰囲気があるのかな。
そして私、曾舜晞さんの歌も大好きなのですが、本作も良かったです。
エンディングは劉宇寧さんとのデュエット。お二人の歌がすごく好きなので、これは良かった♪
あと、劇中の温柔役楊超越さんとのデュエットも。
曾舜晞さんの歌の良さって、役との乖離があまりないというか、キャラのイメージの延長線上という感じに聞こえるので、好きなんですよね。
…と散々褒め称えてますが、特にファンでもないんですが(そんな強調せんでもいいのに)笑
でもそんな私が言うんだから、よっぽど良いものを持ってらっしゃるんだと思います。
蘇夢枕:陳楚河
良かったですねぇ、蘇夢枕。
男気があって、めちゃくちゃ腕が立つのに病弱。色気も感じました。
陳楚河さんを初めて見たのは前述の通り「重啓之极海听雷」の黒眼鏡で、正直その時はそんなにピンと来なかったのですが…。
キャラ的に黒眼鏡という役は明るいというわけでもないんですが、飄々としていつもうっすら笑っている腕の立つ人だったので、本作の少しアンニュイでシリアスな蘇夢枕とはかなり対照的なのですが、こちらもハマっていました。
あと、前から思ってたんですけど陳楚河さんって相当胸板厚いですよね。
なので、蘇夢枕も病弱なのに達人というのは”筋力で補ってるんだ〜”なんて思えるので説得力があるというか。
刀を振っても、効果音との合わせ技で一太刀がめちゃくちゃ”重そう”に感じました。
(どうでもいいのですが、ちょうど今個人的に「重啓之极海听雷」をまた見返している最中で、両極端に振れている陳楚河さんを楽しめて良い感じです)
狄飛驚:楊彤
六分半堂大堂主で総堂主雷損の義子。通称「低首神竜」。
みんな好きですよね?笑
ビジュアルも性格も能力も全部かっこいいです。
この人も良かった。印象に残っています。

白愁飛:劉宇寧
難しい役…というか、色々破綻がある人物像に思えました。
一番「は?」となったのは、王小石の死の知らせを獄中で聞いたことにより急に手のひらを返したように、金風細雨楼を裏切ったことでした。そもそも自分が蘇夢枕の代わりにとしゃしゃり出てきたのに、です。
蘇夢枕を含めた三人で義兄弟の契りを交わしたのに、王小石がいなくなったと分かった途端、蘇夢枕を裏切り、しかも前から恨んでいたとすら言い出す始末で。
蘇夢枕は白愁飛に対して一度も不義理をしたことがないどころか、金風細雨楼の古株たちの目も憚らずいきなり副楼主にまで据えてあげたのに。
白愁飛に言わせれば蘇夢枕が彼にしてあげたことは心遣いどころかマウントをとっていただけにすぎないと。どんな捻くれ方なんでしょう??
雷純のことでも蘇夢枕を恨んでいるようで。いや、ただの横恋慕だし 笑。
ということで、蘇夢枕との付き合いは王小石の面子を立てていただけという理屈ですが、だったら王小石の罪を被って名乗り出るという蘇夢枕を黙ってそのまま送り出しても良かったのに。あれはどういうつもりだったのか?
よくわかりません。
そしてそんな捻くれた白愁飛も王小石にはなぜか仲間意識を保っているようで。せいぜい「何で蘇夢枕なんかと仲良くしてるんだ」くらいでしょうか。
彼的には唯一の理解者、という認識なのかな?
ということで、最終的に「王小石依存の強い、大きな駄々っ子」みたいになったのが、なんだかなと思えました。
上京して一度は夢破れて都を出る決意もしたほどなのに、その時の恩人である蘇夢枕と義兄弟の契りを交わした時はどんな気持ちだったのか?利用できるものは利用するという気持ちでいたのか?
ただ、沃夫子の家にお世話になっていた時はしおらしい様子も見せていました。
そこから最後の一連の荒ぶり様が”善からの黒化”なのか、元々善でも悪でもなく、ただその間を行き来していただけなのか…???
ほんとによくわからない人物でした。
あ、(とってつけたわけじゃないけど)劉宇寧さんの歌、相変わらず凄く良かったです。(で、演技の方はちょっと手に余る役だったかな…と)
雷純のくだりで猛烈な不快感…
雷純の黒化のきっかけとして起こった事件ですが、二度も辱めを受けるシーンがありました。
こういう問題は本当に洒落にならないくらい嫌〜〜〜〜〜〜な気持ちに突き落とされるので、一瞬続きを見る気が失せました。
まあ、ただこのまま止めてしまったらかえってこのまま引きずるとも思えたので、この事実はどうしようもなくとも、何か少しでも他の形でリカバリーできることが起こるなら見届けたほうがマシかと見続けたのですが。
このくだり、原作とは少し描き方とかニュアンスが違ったとかで、原作ファンからもブーイングがあったとか知りました。
江湖はハードな世界だと言いたいのかもしれないし、強烈なきっかけを描きたかったのかもしれないけど、そうはいってもこちらも”娯楽作品”を気楽に楽しんでいるつもりでこの洒落にならないエピソードを、しかも2回もぶちこんでこられると結構”喰らった”感が強いです。
直接この問題を扱うジャンルでもなし、安易に持ってこないで欲しいと思ってしまいました。
まとめ…続編はあるのかな?
良いところも、もやもやするところもあったけど、スピーディな展開とラストにかけて勧善懲悪…ではないけど、悪が倒れる結果となったので、その勢いで一応スッキリ感は感じられました。
とはいえ、冒頭の10年後と思われる王小石のセリフとラストの状況ではまだギャップがありますし、肩書きの割にはあまり描かれなかった温柔にも、他に何か色々ありそうですし(彼女、洛陽王の娘って郡主とかじゃないんですか?勝手に僻地で結婚とかしてますけど?!)、もしかしたら続編があるのかも…って感じでしょうか?
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