「白い巨塔」(2019)見ました 感想:強い人にも弱いところはあるし、弱い人にも強いところはあるんだな

雑記

先日放送されたテレビ朝日開局60周年記念ドラマスペシャル「白い巨塔」を見ました。
5夜連続放送。
なかなかに密度の濃い5日間でした。
ボリュームとしては連ドラ1クールとそれほど変わらなかったのではないかと…。

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初「白い巨塔」!

V6岡田氏の作品は今まで何作か見たことがあるし、好きな役者さんの一人ではあるけれど、特にチェックして追いかけているというわけでもないし、「白い巨塔」についても見たことがなくて、ストーリーも全然知らないけど、だからと言ってそれほど強い引きがあったわけでもなかったのですが、なんとなく見始めて、最終的にはガッツリ前のめりになってました(笑)(→いつものパターンです)

あの、”白衣のお医者さんたちがぞろぞろ病院の廊下を歩いてるやつでしょ?”とか、”なんか野心的なお医者さんの話なんでしょ?”くらいの前知識でした。
で、「ちょっと重そうだな〜」というイメージでした。

設定を変えても感じる昭和感!

財前というキャラクターのせいなのか、そもそものストーリーのせいなのか、ドラマ前半ぐらいまで感じていたのは「設定を変えても、すごい昭和感だな〜」という印象でした。

まあ、昭和生まれなので昭和感という印象があるんでしょうが(笑)、財前があれほどまでにどんな手を使っても出世したいという野心を持つことや、選挙に向けてあからさまな根回しや裏工作などが横行している大学病院というのが、今の感覚の私から見るとどうもピンと来ない、という感覚が第三夜くらいまでず〜っとありました。

札束は飛び交う、あからさまな圧力をかける(パワハラなんて概念、お構いなし!)、土下座も厭わない、すぐ料亭とかバーで集まって乾杯する(笑)…みたいな世界観。

「え〜、今そんな人おる〜?」なんて(笑)
それと”教授になったらそんなにメリットがあるんですか?”なんて思っちゃう。
それは素人だからわからないのも当然ですけど、そのポストの魅力があまりにもピンとこない為に、財前のことを「”何か”にめちゃくちゃ執着する人」くらいのキャラクターとしてしかどうしても見られなくて、でも作品としては多分そういうんじゃないんだろうな〜なんて変にバランスを取りながらの観賞でした。

前半くらいまでの私のモチベーションは”「白い巨塔」という作品がどういうストーリーなのか知る”、というだけのものでした。

強い人の弱み、弱い人の強み

後半…順調に野望を叶えていくかに見えた財前に陰りが見え始めた頃から、だんだん前のめりになっていきました。

よくあるパターンで、優秀で出世も順調だけど、横柄で誰の意見も聞き入れない、みたいなキャラクターが転落していく…みたいなのって大体想像がつく流れなんですけど、「白い巨塔」はただ単にそうではなくて、そこの土壇場で出てくる人間ドラマが奥深くてよかったなと思いました。

財前の出世のために追いやられたかに見えた東教授や里見先生、その他たくさんの人たちも、一時は苦渋を味わわされたかに見えて、しばらくすると実際はより自分らしく生きる道を見つけられていたり、逆に野望を叶えて教授になり、その前途も望み通りかに見えた財前が医療訴訟を起こされたり、自分も病に侵されたりといった一種の逆転現象が起き、またその時に恨みつらみを超えた人間の情に心底救いを見出したり…といったところは、しみじみと見てしまいました。

財前みたいな超優秀で自信満々の人でも、ふと自分の罪の意識に苛まれたり、自信をなくして情緒不安定になったりするんだな〜なんて思ったりして。
演じる岡田氏も、病に侵されてどんどん容貌も変わっていく財前の体現は鬼気迫るものがありました。
急にがくんと弱気になってお母さんに「帰りたい」なんて電話してみたり…。

そうなると、どんな強そうな人でも「人の子」なんだな〜なんて思えると、随分見方が変わるもんだな〜なんてちょっと別なことも考えたりしました。
(「人の子」って表現、なんだか微笑ましいです。今、どんな人間でも子供時代はあったんだな〜なんて思うと…(*´꒳`*)。みんな”人の子”なんですよね)
こういうタイプは一旦崩れ出すと、めちゃくちゃ脆いかも。

対極的なキャラクターの里見先生は人当たりが柔らかく、患者さんに対しても「人として」誠意を尽くす先生で、その為に競争が厳しい大学病院では准教授とはいえ決して堅固な立場とはいえず、うまく生き抜けなかったかもしれないけど、奥底の強さ、というものをじわじわ感じさせるキャラクターだったな…と思えます。
松山氏もさすがの好演でした。

彼のすごいところは、単なる好演だけにとどまらず、それが”美味しい役”に見えるところだと感じます。
それって実はなかなかないことなんじゃないかと…。
里見先生も演じようによっては「辛抱役」になりかねないって感じがします。
なのにう〜ん、魅力的…。

最終的に…

追われるように(?)自分の理想の道に邁進してきた財前が、だんだん疲れを見せてきたあたり(体調不安やオペも危なっかしくなってきたあたり)…「教授の次は理事、そして子供か」みたいなセリフを吐いたりしてきたのもとても印象的だったのに加えて、財前が亡くなった時に「無理させすぎた〜!!」と泣き崩れる義父(又一)のセリフが私にとっては印象が強すぎて、なんだか最終的な印象が「自分の野望に振り回されて、無理をしすぎて生き急いだ人のドラマ」みたいになっちゃいました。

ある意味、そう取ってもいいのかのしれないですが、財前は大学病院を舞台に、やりたい放題やっていたかに見えて、実は大学病院という組織にいいように使われていたという側面も浮き彫りになってきてもいたし…。
あれだけ、病院の箔をつけることに貢献した財前が末期ガンだとわかると、手のひらを返したように、その存在を隠そうとする…とか。

そうなると、財前ってちょっと哀れな人だったな…なんて印象になっちゃいました。

まあ、感想は人それぞれでいいんでしょうけど。
時間が経つとまた印象も変わるかもしれませんし。

絶対的な勝者も敗者もいない、というのが人間社会ということなんでしょうかね。

キャスティングも豪華すぎるほどで、ちょっと勿体無いくらいの配役の人もたくさんいたと感じますが、さすがの奥深さ、緊迫感でした。
一瞬でも流し見できないと感じさせるドラマでした。

あの有名な「白い巨塔」ってこんな作品だったんだな〜と知ることができてよかったですし、見終わった後も色々考えさせられる奥深い作品でした。

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