BS12トゥエルビにて放送されていた中国ドラマ「擇天記~宿命の美少年~」全52話を見終わりました。
原題:「択天記」(2017)(ビジュアル・その他情報はこちら→百度百科)
壮大なファンタジーであるこのドラマ。
ファンタジーは基本的に好きだけど、個人的に合う合わないがはっきりしているので、”どうかな〜”なんて思いながら見始めたのですが、楽しく最後まで視聴することができました。
見終わったら夜空を見る目が変わりそうです。
主なキャスト
陳長生(どんな病も治せる「星辰の血脈」の持ち主。20歳までしか生きられない運命):ルハン
徐有容(「天鳳の血脈」の持ち主。青雲榜の首位):グーリー・ナーザー
白落衡/落落(妖族の姫。長生に弟子入りする):ウー・チェン
唐棠/唐三十六(武器商である唐家の長男。青雲榜36位に入り唐三十六と名乗る):ツォン・シュンシー
莫雨(周の女帝:聖后に仕える女官):シュー・リンユエ
秋山君(離山剣宗の一番弟子で、点金榜首位。「真龍の血脈」の持ち主で有容とは幼なじみ):チャン・ジュンニン
軒轅破(熊族(妖族)の青年。白落衡を慕い弟子入りする):ガオ・ハンユー[HIT-5]
小黒龍/朱砂(玄霜の巨龍):リン・スーイー[SNH48]
天海幽雪/聖后(周の女帝):チェン・シュー
寅行道(周の教宗):チョン・シウファイ
計道人/商行舟(長生の師匠。実は国教学院の元院長で寅行道の兄弟子):エリック・ツァン
南客(魔族の姫):ヤオ・ディー
ほか
このドラマの好きなところ
とにかく画面が美しい!
キャストが美男美女揃いで目の保養になるのはもちろんなのですが、衣装・建物もとても美しいです。
ベースとしては中国の時代劇的な美術なのでしょうが、衣装も少しドレスっぽい要素があったりしますし、周のお城はどこかモスクっぽいビジュアル要素もあったりしてファンタジー感が満載でした。
一方で、長生が師匠と暮らしていた山奥では自然と一体化しているような素朴で伝統的な感じの木造家屋だったり、ヒロインの有容が修行の為、実家から出て普段住んでいるところはチャイナモダンといった趣の建屋だったりします。
インテリア好き、建築好きな私にとっては、単純に「行ってみたい」とか「泊まってみたい」なんて思ってしまう世界観でした。
ウチにも欲しい「星盤大陣」(笑)
特にこのドラマ一番のオススメスポット(?)はドラマで重要な鍵を握る「星盤大陣」です。
周のお城上部にある禁足の地で、見た目は銀河の中に張り出している、架け橋付きのテラスのような場所です。
とても大きなパワーを持つものらしく、この「星盤大陣」を制御することで世界を治めるほどの力を持つことができるような代物なのだそう。
周の女帝、聖后はこの「星盤大陣」に、乳飲み子であった我が子を捧げて強大なパワーを得ることによって魔族との戦いに勝利し、女帝として君臨しているというのが話の始まりです。
テラスのような場所は常に少し風が吹いていて、登場人物の髪や衣装がなびく様子がとても美しいので、いつ見ても「綺麗だな〜。ウチにも欲しいな〜」とうっとりしていたのですが、この「星盤大陣」、実は結構血生臭く(笑)、これが暴走した時には特別な血脈の血を捧げる必要があったりするので、一般家庭なんかではとても扱いきれない代物だということがわかったので、やっぱり無理だなと諦めました(笑)。
世界観が面白い!
まずはベースの世界観として人族・妖族・魔族が共存している世界…なんだそうです。
「人族」と「魔族」の違いはなんとなくイメージできるとしても「妖族」の立ち位置がイマイチピンと来ません(笑)。
そんな私にとって”様子見”の頃、画面では炎を湛えた鳳凰の翼で空中を飛びながら魔族と戦う女帝(聖后)が目に飛び込んできて「なるほど、”妖族”ってのはこういうことができる種族なんだな」なんて一人で納得していたのもつかの間、その人は「人族」の頂点に立っているれっきとした「人」でした(笑)
人ってそんなことができるの!?と、のっけからかなりショッキングなエピソードでしたが、これがこのドラマの世界観のようです。
で結局「妖族」とはどんな種族かというと、「人族」とは違う経脈を持ち(だから治療方法が違う)、髪の色は赤毛の人が多く、女性は頬にライン状の強めのチークが入っている(笑)みたいな感じでしょうか。
「人族」と「妖族」は手を結んで「魔族」と対抗している、という図式です。
「魔族」は字面のイメージ通り、いわゆる「悪役」らしい立ち位置にいます。
そして、それぞれの種族には王族も存在しています。
修行制度
国民全員ではないのですが正道を志すもの…なのかな?はどの種族でも「修行」をして自らの攻力を高めています(聖后が炎の翼で飛んだりできるのは血脈と修行の成果)。
飛びはしない人でも結界を張ったり、「かめはめ波」みたいな攻撃くらいなら、それほど珍しいことではない様子です。
すごい世界…。
修行のランクは細かく設定されているらしく、しかもそれはお互いに見てわかるらしいのです(だから「まだ○○の癖に、何ができる!?」なんてバカにされたりもします)。
女帝の聖后はもちろん、重臣の教宗も修行を積んでおり、相当高い位置付けにいるようです。
その道を志すものは国でも特に認められた六つの学院のいずれかをまずは目指し、さらにレベルを上げていきます。
ドラマでは学院の入学試験の様子も描かれていますが、ビルほどの高さはあろうかという石の巨人を倒さなければいけなかったり、マトリックスばりの”宙に点滅する文字”を判別しなければいけなかったり…と現代人からは想像を絶する課題が出されるのですが、これも見ていて面白かったです。
そして、時々行われる試験の結果で全体の学生のランク付けが行われるのですが、それが「○○榜○位」という形で表されます。
発表の仕方がまたまたIT時代ばりで(笑)、各学院などに設置されている石碑に、上位から文字が浮かび上がるように表示されるんです!
もう、インターネットっていらないの?(笑)
いや〜、この設定も面白かった!
全体的な感想
※この項目はネタバレを含みます。
今まで見てきたいくつかの中国ドラマと明らかに毛色の違う作品だったので、世界観だけでも特筆すべきところはいっぱいあるのですが、ストーリーとしても展開が早く、のめり込んで見ていました。
アクションが多い作品の割に、主人公の男の子(と言いたくなるくらい若い。19歳)が弱いという設定(体も弱く、体質の影響で修行もできなかった為、戦うこともできなかった)でありながら、周囲の人を惹きつけながら自らの運命を変えるべく奮闘する姿がちゃんとストーリーとして成立しているのが面白いな〜と思いました。
メインの人物が若者中心で、大人っぽい人間ドラマというよりは「友情っていいよね」とか「命を投げ出しても好きな人を守るんだ!」とか割と”若々しさ溢れる”動機で話が進んでいくのですが、それもまた良かったです。
他にも伝説の達人とか、顔を出さない謎の首領とか、キャラクターも多種多様でストーリーに厚みがあって面白かったな〜。
ストーリーとしては「長生が皇太子じゃないの?」とか「伏蛇の首領は実は教宗じゃないの?」とかある程度の予想は当たったりしたものの、結末は更に一捻りあって楽しませてもらいました。
まあ、本当の皇太子である兄弟子の余人を救う為に人工的に作られたのが長生だった…というオチは倫理的に問題ありそうな感じでしたが…。
(だから両親はいないし、20歳までしか生きられない運命になっていたんですね)
でも、確かに予想もしない結末でした。
個人的に特に印象に残っているキャラ
白落衡/落落
妖族のお姫様でありながら、長生に救われて以来すっかり心酔し弟子入りしてしまう、自由なタイプの女の子。
典型的な妹キャラで、若者メインのこのドラマの中でも更に年下チームって感じだったけど(もう一人は小黒龍)、だんだん師匠としてではなく、一人の異性としての長生を慕うようになってからは、少女から大人の女性へ変わりつつある微妙な年頃を見事に演じられていたな〜と、とても印象に残っています。
子供子供していたのに、長生の心が有容にしかないとわかって身を引く決意をしつつも、自分の将来を犠牲にしてでも長生の命を助けようとしたところは結構泣けてきました。
ドラマの途中までは、可愛らしい女の子だったのに、女神の装束を纏ってからは少し大人びて見え、すごく綺麗だな〜と思いました。
小黒龍/朱砂
龍族の女の子。登場シーンでは恐ろしい龍の姿だったので、実はまだ子供の龍だったというオチには意表を突かれました。オジさんだと思ってたから(笑)
キャラクターとして、私が元々ドラゴンはなんとなく好きなもんで、初めから「かわいいな〜」と思って見てました。
あの小黒龍が入ってる玉佩、欲しいな〜(笑)
天海幽雪(聖后)
周の女帝。太宗の皇后だったのが、太宗亡き後女帝として君臨する。
いや〜、綺麗!(笑)ドラマの宣材(?…あのポスターみたいなの)よりも実際の映像の方が綺麗です。
華奢でどちらかというと小柄に見えるのに、女帝としての威厳と誰よりも強い攻力を持っている達人感ははっきり体現されていました。
そして、娘のように可愛がっている落落に時折見せる甘い顔も大人の余裕っぷり。
心のどこかで親しみを感じつつも君主として警戒せざるを得ない長生への硬めの表情と、皇太子と確信してからの母親の情。
更に本当は、長生は寅行道と計道人の策略によって真の皇太子余人の為に造られた子だと知ってからも「そなたたちはどちらも我が子だ」と愛情を注ぐ様子にグッときました。
他にもグッとくるシーンは結構あって、どのキャラクターもとても良かったんですが、今パッと思い浮かぶのはこの3人です。
見て良かった!楽しめました
最終的な感想としては、好みのドラマだったし見て良かったな〜と思いました。
伝説の達人「周独夫」と「黒袍(魔族の軍師で実は周独夫の妹)」のエピソードをもうちょっとじっくり描いて欲しかったな〜とは思っていますけど。
ドタバタの間でちょっとだけ触れられた感があります。
もう1回見たらわかるかな?
あと、周独夫って思ったより”軽めのキャラクター”だった(笑)
もっと痩せこけてシワシワで、苦虫を噛み潰したような顔をしたキャラクターをなんとなくイメージしていたんですが、もっと健康的な外見でトークも軽妙でした。
誰かおんなじ感想の人、いないかな〜?(笑)
あっ、もう一つ。
サブタイトルの「美少年」はなんだか…(笑)
まあ、確かに長生は美少年でめちゃくちゃわかりやすいけど、劇中ではそんなくだりは一切ないし、それが売りでもなかったとも思うんですが…。
日本人向けのわかりやすさ、なんでしょうけどねぇ。
…とまた、ダラダラとピンポイント感想を述べそうな勢いなので、ここで締めたいと思います。
とにかく、楽しめたドラマでした。
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