【中国ドラマ】「九州縹緲録~宿命を継ぐ者~」感想:仲間たちと助け合いながら乱世で成長していく若者たち!全エピソードが濃い!

中国ドラマ

BS11にて放送されていた中国ドラマ「九州縹緲録(ひょうびょうろく)~宿命を継ぐ者~」を見終わりました。
全56話
原題:「九州缥缈录」(2019)

「九州もの」といいますか、この世界観のドラマを見るのは初めてでしたが、なるほど色んな人種(?)や風俗などの特色を持つ地域が広大な範囲で広がる世界だったのですね。(マイクラのバイオームを思い出しました)(でも基本的に全国中国語でOKな世界w)

展開はスピーディでエピソードもバラエティに富んでおり、内容が濃かったです。
ストーリーに複雑さはないものの一つ一つのエピソードの内容が濃いので、1回だけ見たのでは味わいきれないのでは?とも思いました。

とにかく頭に残るのは「铁甲依然在!(鉄甲は健在なり)」。
このドラマを見終わった後は気合を入れるたびに、そう叫びたくなるでしょうw

主なキャスト

阿蘇勒 帕蘇爾/呂帰塵(北大陸王室の帕蘇爾家第五王子で青陽世子。出生時、天に異変が起こったため災いの子と見做され、その身を案じた父の青陽大君によって大君の従兄弟である真顔部竜格真煌に預けられた。超人的かつ凶暴な血脈である「青銅の血」を受け継いだため負担が大きく体が弱い):劉昊然

羽然(東大陸下唐国に身を寄せる羽族の娘。下唐国国師である宮羽衣の姪):宋祖児(ラレイナ・ソン)

姫野(没落貴族氏の長男だが庶出のため虐げられてきた。名将姫揚の曽孫。槍術に長けており、先祖から伝わる猛虎嘯牙槍をいつも携えている):陳若軒

嬴無翳(東大陸国国主):張豊毅

白舟月(大胤朝皇帝の妹である公主。母は楚衛国国主):陳昊宇

雷碧城国国師。秘術を操る辰月の一員):張志堅

蘇瑪真顔部 竜格真煌の娘。阿蘇勒と共に育つ):陸妍淇

翼天瞻(戦乱を鎮める武士の組織である天駆最後の鉄皇):江涛

他にもたくさんのキャラが登場しますし、上記に挙げたプロフィールもスタート時のもので「実は…」と真相が明かされるものあり、所属が変わる人・肩書きが増える人w ありでどのキャラも波瀾万丈です。

印象に残ったところ

展開がスピーディでエピソードがどれも強い(強すぎ?)

※微妙にラストに触れます。

メインの3人の若者が、”乱世”という情勢がコロコロ変わる世界で翻弄されるストーリーの為、とにかく展開がスピーディで中だるみなどとは全く無縁の作品でした。
権力者たちが覇権を争い、その中で翻弄される若者。「九死に一生」を友と助け合って何度もくぐり抜けながら強く成長していくストーリー。

”人生の危機”が何度もあるからか”全エピソードに全力感”があって、逆にメリハリがない(?)のか、初見では見終わった後に頭に何も残ってないという初めての経験をしましたw よく考えてみたら、あれやこれやと色々あったのに、です。(なので結局即2周目に突入しました)
思うに、ドラマの尺に対して情報量がかなり多いのではないかと。

他のドラマだったら本作のエピソードのうち1つ2つくらいでクライマックスになるんじゃないの?というレベルがどんどん繰り出されてくる。
そんなのを散々見た後で冒頭の老人(あれがおそらく何十年後の阿蘇勒呂帰塵なんでしょうね)のことを、何人が思い出せるでしょうか?w(私はムリ) でもそれが本作の結末なんですよね。

ただ、そんな感じの構成でもストーリーは複雑でなく、すんなり理解することができました。メイン3人それぞれ個人的なエピソードもたくさん出てきますが、お互いをちゃんと意識しあっている為、全体としては1本のストーリーとして纏まっていているように感じられました。

若者の主人公を演じている俳優さんの実年齢がちゃんと若いので自然に見られる

主人公の若者たちをちゃんと若い俳優さんが演じられているので、とても自然に見ることができました(これって実はなかなか難しいことなんでしょうが)。

もしそうでなければ、他のキャラとの関係性で脳内修正しながら見なきゃいけないので…。これは非常にありがたかったです。

ビジュアル面(衣装・スタイリング、セット・小道具などの美術、映像)が良かった

見出しで言い切った感がありますがw、ビジュアル面がすごく良かったです。

衣装や装飾などで部族の違いも表現されていて楽しめましたし、戦闘シーンもとても迫力がありました。俯瞰で何万のも兵が陣を組んでいる様子や爆破シーン、騎兵や狼に跨った兵が全速力で激突する瞬間などは思わず目を背けそうなくらい(そしていつも馬の心配をしてしまう私)。
また下唐国の街の賑わいや鬼市の情景も細かく作り込まれていて良かったです。
BS11のサイトには「総製作費83億円!」なんて文字が踊っていましたが、どのシーンをとってもさすがという感じで見応えがありました。

個人的にピンポイントな話ですが、高貴な方々が身につけているビーズや金属パーツが数珠繋ぎになっている装飾具が、人が動くたびに微かにシャラシャラと音がするのがいいなぁと思って聞いていました。そういう音も入ってると臨場感があってなんだか楽しいです。

印象に残ったキャラ

あんまりイヤ〜なキャラがいなかったのも見やすかったです(百里隠くらい?)。
好きなキャラは結構いますが、特にというならやっぱりこの2人でしょうか。

※細々したネタバレがあります。

阿蘇勒 帕蘇爾/呂帰塵:劉昊然

主人公阿蘇勒呂帰塵。色んなものを背負っていて一言では言い表せないキャラクターですが、魅力的でした。

本人の性格としてはとにかく「善良な」と多くの人に称されているのが本当にピッタリの人で、物腰は柔らかいけど平和に対する意志の強さは頑固なほど。
一族でも稀に現れる(?)不思議な血脈を受け継いだため、その影響で体が弱い。
青陽部は草原の民なので、周りのみんなは肌が浅黒く男子は髭を蓄えている人がほとんどだけど、阿蘇勒は色白で体つきも華奢で少年のため髭もなく、狼と喩えられる兄たちに対して子羊と揶揄されている。
演じられている劉昊然さんの色白さと瑞々しい少年感のあるお顔立ちと(実際お若いのだけど)身長の高さが、群衆の中でもそこだけ光が差しているように際立っていて、阿蘇勒が特別な存在であることを示しているようでした。

またこういった本人の基本的な特徴と対照的に、ひとたび「青銅の血」が暴れ出したら目は真っ赤に血走り髪は逆立ち、皮膚にも血管が浮かび上がって、目に入る全ての人を刀一振りで薙ぎ倒し、ぶった斬ってしまう殺戮者に豹変。
このモードが発動して一通り暴れてしまうと眠りこけてしまったり、昏睡したり…またその時の顔が無垢そのものという感じで、まさに正邪が共存している存在。

演じられた劉昊然さん、阿蘇勒が背負っている様々な面…外国で実質人質としての立場を弁えた振る舞いや、複雑な思いを抱える羽然との婚儀、天駆大宗主としての政治的な取引への対応、また親友たちと過ごす時の無邪気な少年らしさなどを巧みに演じておられたと思いました。
特に、数少ない”信頼できる大人”である大合薩(青陽の賢者。沙翰 巣徳拉及)との再会で見せた阿蘇勒の心からの無邪気な笑顔は、本当に可愛くて印象に残っています。良かったねぇと言いたいくらい。
また暗殺された後に雷碧城の秘術によって蘇った後、記憶を無くして怯えがちで幼子のようになっていた時期は、母性本能をくすぐられるピュアさ。
この時、特に献身的に阿蘇勒の面倒を見ていた小舟に若干”オカンみ”が出て見えたのはヒロインとして可哀想でしたが…w

元々病弱な上、秘術を操る辰月にもターゲットにされていて何かと仕掛けられるので周りから助けられる場面も多いけど、本人も周りの人を守りたいという意志が強く、そういう動機で色んなことを背負ってしまうというところで、最終的には一人残った帕蘇爾家の男子として青陽部の青年たちを率いて、朔北部狼族を迎え撃つまでに成長した物語は見応えがありました。

考えてみれば、波瀾万丈のこの物語で彼に起こったことは全て周りの要求に応えての行動のみなんですよね。自分で希望したことではなく(腹を括って自分の決断だと本人は言うでしょうが)。なのでせめて好きな人と添い遂げられれば良かったけど、それも叶わず…。

阿蘇勒だけでなく羽然小舟といった若者たちは好きな人との未来を諦め、自分の立場に責任を持つ形で運命を受け入れたのに対して、上の世代は自分の野心をそのまま行動に移しているのが対照的で印象に残ります。

姫野:陳若軒

もう一人の男性メインキャラの姫野阿蘇勒とは対照的なキャラで、出自が卑しいが故に能力があるのに苦労している人物。理不尽に痛めつけられても耐えられるようなタフな肉体の持ち主で、肌が黒くて眼光が鋭く無口で人を寄せ付けないようなオーラを漂わせている。
人から見下されることが耐えられず、必ず自分の腕でのしあがろうという精神的な強さも持ち合わせている。

生みの母亡き後、他の家族からも疎んじられていたような孤独な青年が阿蘇勒羽然という親友と出会って人の心の温かさに触れ、仲間と過ごす時間の楽しさを知り、守りたいものができたことで本当の意味で強く成長できたという過程に見応えがありました。

誠実で心根は優しいものの口数が少なく口下手でもあるので、特に女子たちにはヤキモキされるけど、こういうキャラの男子も意外とモテるので、キョトンとしている姫野とぷりぷり怒る羽然(や嬴玉も)という絵が見ていて微笑ましい感じ。
印象に残っているのは、羽然嬴玉姫野を取り合ってお酒の飲み比べをしたエピソードで、二人の真ん中でなんとも言えない顔で兜を抱えて成り行きを見守っている姫野、という絵が面白くて可愛かったです。

そんな姫野もそもそもの環境も決して恵まれてるとは言えないのに、さらに過酷な試練に何度も遭遇していて、とんでもない苦役に就かされたり、外国の部隊に入れられ阿蘇勒羽然と距離ができてしまったりといった感じで、見ていても辛いものがありました。
ただそんな出来事を乗り越えたお陰で後半では頼もしい武士になっていて、阿蘇勒の危機を何度も救ったのは本当にかっこよかった!特にラスト、青陽部の青年たちを率いて朔北部狼族を迎え撃つ阿蘇勒に加勢しに到着した姿はとても凛々しく、めちゃくちゃかっこよかったです!

演じられた陳若軒さん、眼光の鋭さと鍛えられた身体つきがキャラそのものを体現されている感じでしたし、仲間内で見せる朴訥としたムードもまた良かったです。

他にも…

阿蘇勒姫野の師匠であり下唐国の将軍である息衍の余裕があって頼れる大人感が良かったですし、その想い人である蘇瞬卿の落ち着いた大人の女性感も素敵でした(声もまた特徴があって魅力的でした。王鷗さんご本人…かな?)。また息衍の旧友白毅将軍との関係性もなんかいいなぁという感じ。
誰もが恐れる赢无翳を演じられた張豊毅さんは鉄板感が半端ないし、沙翰阿蘇勒に対する身内のような愛情と信頼感がすごく好きでこれも印象に残りました。

なんというかイヤ〜なキャラがあんまりいなくてその点で凄く見やすかったです。
乱世なので敵味方というのはそれぞれ存在しますが、さすが頭角を表しているそれぞれの武将だけあって、各個人なりの信念や夢を抱いているところはある意味尊敬できるような人物像だと思いました。

気になるラスト

乱世ですし、誰かが一時的に優勢となっても、またすぐ別の誰かに取って代わられるという、なんとも不安定な状況が続く中ですし、また九州シリーズ作品もたくさんある中できっちりした結末というのは当然望めないのでしょうが、ラストが結構あっけない切り方だったのがちょっと拍子抜けでした。
少なくとも青陽が守られたかどうかは気になりますよねぇ。

他の方の感想を読んで、どうやら続きがカットされているらしいと知ったので映像を探して見てみました。ほんの10数秒ほどの風景のみのシーンがあったようです。

BS11版ラストシーンの続き↓

緑の茂みからリスが飛び出してくる(阿蘇勒が飼っていた巴呆に似ている)。雪が解けて緑の草が生い茂る季節になった草原に青陽北都城が見える(荒れている様子はない)。トンビ(?)の鳴く声も聞こえ平穏な雰囲気。

人物は誰も出てきませんし、たった10数秒の景色の描写です。
ただ、思い返すと冒頭に老人(輿に乗った後ろ姿のみ)が、幼子に紙の小さな船を水に流させているシーンがあり、それが阿蘇勒呂帰塵ののちの姿だったのかなと思い当たると、ラストのシーンと併せて青陽は守られたんじゃないかなと思えるわけです。

だからあの10数秒だけでも視聴後の印象に重要な役割を果たしてるんだから、なんとかならなかったですかねBSイレブンさんw(いつも放送ありがとうございますm(_ _)m)

まとめ

初見で見終わった後は「え〜〜〜〜〜〜〜っと…」と頭が真っ白になってしまいましたが、なんとなく「とりあえず第1話をもう一回見直してみよう」と思い立って見始めたら、結局面白くてまた最後まで通して見てしまいました。そんな作品です。

全56話というボリュームは珍しくはないですが、この尺に収められているエピソードなどの情報量は実はかなり多い作品なんじゃないかなと思っています。一度色々細かいことを踏まえた上で、さらにストーリーを見返してみるとわかること、感じることも増えるような…そんな感じでしょうか。
面白かったです。

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