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【中国ドラマ】「琅邪榜<弐> ~風雲来る長林軍~」感想:前作の琅邪榜世界の余韻に浸りたい人向け?単体で見ると若干物足りないかも…

中国ドラマ

GYAO!にて配信された中国ドラマ「琅邪榜(ろうやぼう)<弐> ~風雲来る長林軍~」を見終わりました。
全50話
原題「琅琊榜之风起长林」(2017)
(ビジュアル・その他情報はこちら→百度百科

気になりつつ見る機会がなかったドラマを運よくGYAO!の配信で見ることができました。
とにかく傑作と評判の「琅琊榜 -麒麟の才子、風雲起こす-」の続編にあたる作品です。

確かに「1」は面白かったので続きも気になるところではあったのですが、世の皆様の感想を眺めていると「2」に対する評価は「まあこれも面白い」みたいな、「1」の絶賛とは若干異なる”微妙な”ニュアンスが感じられたのでw ”あれ?もしかして見なくてもいいのかな?”なんて思ってもいたのですが(なんせ50話ですから構えます)、「九州縹緲録」で見た劉昊然さんが良かったので、やっぱりこちらも見てみることにしました。

で、見た感想を率直に簡潔にいうとすると「前振りが長すぎてしんどい」。
これを人に勧めるかといえば「う〜ん…まあまあまあ…」と私も微妙な感じw
決して悪くはないのですが。
でも前半で脱落する人も、そこそこいそうな気がしないでもない(どっちよ?)。
まあ、これだけだと色々語弊もあると思いますので、以下に綴りたいと思います。

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主なキャスト

蕭平旌(長林王府次子):劉昊然

蕭平章(長林王府世子で長林軍副総帥):黄暁明

蒙浅雪(長林王府世子妃):佟麗娅

林奚(済風堂少堂主である医師):張慧雯

蕭庭生梁帝の義兄弟である長林王。長林軍総帥):孫淳

蕭元啓(萊陽侯。亡き父萊陽王梁帝の実弟):呉昊宸

濮陽纓(乾天院上師。荀皇后の絶大な信頼を得ている):郭京飛

岳銀川(芡州淮左営参将):金澤灏

印象に残ったところ

「琅琊榜 ブランド(?)というべきか、”信頼の”というべきか、俳優陣や細々としたエピソードの作りなどの基本的なクオリティが高い作品なのは確かでした。その点ではさすがだなと。
ただ…

主役は誰か?テーマのフォーカスが絞られていない印象

※この項目はラストに触れています。

結局見ている最中も、見終わった後も変わらない印象は「主役って誰?誰が何をした話?」というモヤモヤなんですよね。

もちろん映像を見ている限り、蕭平章蕭平旌を芯に作られているのはわかるのですが、肝心の彼ら自身に「こうしたい」という目標・目的があるわけではないんですよね。
ただ、起こる問題や、降り掛かってくる災難に立ち向かい自分達を守る、というスタンス。

ストーリーを動かす原動力はいわゆる「敵側」にあって、彼らが目的を持ってあれこれ仕掛けてくる。
見ているこちらは、本来味方したい主役たちがただ守りに徹しながらも、ひたすら追い詰められていく様子をずっと眺めていることになる。またこれが長くて辛いんですよね。

で、この状況が変わってくるのが40話手前。全50話なのにw
(これが「前振り長すぎ」の理由です。そりゃ平章庭生の感動的エピソードを「前振り」と言ってしまうのはさすがに乱暴だとは思いますが。でも全体の構成からすると…そして何より俯瞰で見ているこちらの感情的には「やっと面白くなってきた」と感じたのはそこからなので)
すっかり俗世と縁を切ったかに見えた平旌が動き出したあたりから、こちらもやっと気分が乗ってきたという感じでした。

ただ、その平旌もさすがの働きをしますが、ことを成し遂げた後は父の跡を継ぐでもなし(父兄からも自分らしくあるよう言われているし、何より長林王が再び朝廷に存在すると、また同じことが起こってしまうことは明らか)、自身が一番しっくりくる江湖の世界へ旅立っていくという結末。
考えてみれば平旌も父兄の庇護があった少年から自立した大人へと成長は遂げているものの、彼自身は一貫して自由の身であることを求め続けているんですよね。
だからこのドラマが平旌の成長を題材にしている…という捉え方もちょっとしっくりきません。

結局、前作ラストの”あの”長林軍がその後どうなったのかを描いた、ということなんでしょうか。
忠誠心が強く、高い軍事力を備えた頼もしく理想的な存在のはずなのに、その絶大な信頼からくる権力と軍の力により、結局他の人からは危惧されることになるとはなんとも悲しいことです。

前作と比べて和みパートが少なくて、余計しんどい

前作もシリアスで主人公にとってはハードな世界だったものの、飛流蒙摯蔺晨といった人たちがちょっとした笑いや微笑ましいシーンを作り出していて、そういう和めるパートがちょこちょこ挟まっているのがいい息抜きになっていたのですが、本作ではそういったパートがなく、それも前半の重たさかな、と思いました。

ただ、本当に最後近くに登場した岳銀川の副将譚恒が唯一の和ませキャラで「そう!そういうの待ってた!」という感じで。
彼は佩兒が気に入ってたみたいですが、その後うまくいったんでしょうかね?(岳銀川の計らいもありで。この二人の関係性も良かった)

兄弟愛、親子愛、夫婦愛、そして普通の恋愛も…

※この項目は細々したネタバレがあります。

前述の作品全体としてのテーマやストーリー展開はさておき、「琅琊榜というこの作品、陰謀を解き明かしていく面白さはもちろんですが、やっぱり本作で良かったのは人と人との強い絆だったと思います。
特に兄弟や親子については血の繋がりのない人たち同士でも、そんなことはものともせず深く思いあっているのが感動的でした。

蕭平章蕭平旌の仲の良さは本当に素敵だし(さらっと自身が義子であることを告げた平章だったけど、そのこと自体二人の間で大したことではないという確信があったのかな、と)、蕭庭生平章平旌の親子関係も愛情深いものでした。この親子は比較的スキンシップ派だな、とも思ったりw(とにかく器の大きい父だった!)。蕭庭生梁帝もあの年齢まで変わらずお互いを心底思い合えるなんてすごいことだし(しかも二人の本当の関係性を考えると、奇跡的)。
蕭平章蒙浅雪に対しても理想的な夫だと思いますし、ほんと、彼は出来過ぎな男ですよねw(しかも超美男)

この手のエピソードで一番頭に残っているのは、詔を無視して戦をした蕭平旌が裁きを受けにいく時、余命僅かの父の蕭庭生がしっかりと息子の手を握ってやり、共に朝廷へ向かったシーンです。
将軍として難しい局面で見事に勝利を収めた平旌も、まだまだ子供ともいえる年頃で、偉大な父の前では可愛らしくさえも見えるのですが(この辺は劉昊然さんの真骨頂かと)、四面楚歌の状況でこの親子最後の大仕事といった場面でとても印象に残りました。

前作の余韻

大変評判が良かった作品の続編とあって、本作ではその名残が散りばめられていました。
もちろん続編であれば当然それは期待されることだと思いますし、逆に独立した作品でもあることから、これしか見ていなくても筋は分かる、という作りにもなっていると思います。

確かに筋は問題なくわかります。しかも続きと言っても50年ほど時が経った設定でもありますし。
ただ、この”余韻”を売りにしている比重が結構大きい作品のかな?とも思いました。

というのが、配信当時に新作として見た人から相当遅れて前作を見た私としては(いわば旬を逃してる)、面白く鑑賞したものの、めちゃくちゃハマったというほどでもなかったので、本作のいわば”ファンサービス的エピソード”がそこまで響かないんです。「○○って誰だっけ?ああ、○○の弟か」とか「ああ、そんなこともあったような…」みたいなw
ギリギリ思い出せるけど、感情を伴うまでにはいかないというか。

これが前作にしっかりハマってエピソードが頭に染み込んでいる人だと、そのちょっとした余韻のエピソードにジーンときたりキュンときたりできたのかと思うと、たくさんの”旨味”を逃している気がしてなりませんw

まあ、ハマるハマらないについては私自身の好みも大きいのかもしれませんが(特に映像などビジュアル的には新しいものの方が基本的には好みで、古いものは良くても古いな、と感じてしまうタチでして)。
なので前作の「1」を見た時も「”当時見てたら”ハマったかも」という感想でした。

なので、ちゃんと旨味を味わえた人は本作の評価が高いでしょうし、私みたいなタイプは冒頭で延々と述べた「テーマは何?」問題とあわせて、「良いは良いけど、う〜〜〜ん」というコメントになってしまうのだろうなと思いました。

あと余韻繋がりでもう一つ、前作の出演者が別の役でたくさん出演されているのも、もしかしたらファンサービスだったのかもしれないけど、同じ役でないなら逆に中途半端に見えるな〜と。あんまり意味がないんじゃないかな、と思ってしまう。それは他の作品でも同じことですし。…とか思うのが前作に対してそこまで思い入れのない証拠なのかもしれませんね(ちなみに同じ役を同じ俳優がやるのはすごくいいもんだと思っています!(「盗墓筆記シリーズ」で体験済み)本作ではお一人だけ寧王李斌さん)がそうだったようですね。でも私は完全に忘れてたけど)

↓ほら、イメージビジュアルもメインを絞りきれてないw

まとめ

なんだか感想がネガティブ寄りになってしまいましたが、楽しめた部分はもちろんありましたし、なにより見なかったら見なかったで、なんとなくこの先もずーっと気になったままだったと思うので、しっかり見ることができてラッキーでした。

そして、こんなふうに散々お世話になっているGYAO!さんが3月末でサービス終了なんて!!!
結構ショックです。(無料視聴しかしてないくせに)
実はあと2作、GYAO!にて視聴真っ最中なので、最後の最後までしっかり楽しませて頂こうと思います!

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