BS12で放送されていた中国ドラマ「美人骨~前編:周生如故~」を見終わりました。
全24話。
原題「周生如故」(2021)(ビジュアル・その他情報はこちら→百度百科)
任嘉倫さんは好きで出演作は一応チェックするのですが、本作の感想・評判を最初に聞いた時は「これは確実にスルー」と思っていたドラマでした(笑)。
ラストが残酷すぎる。
ただ、このバッドエンドで終わりではなく、現代に引き継ぐ続きがあると聞いて、それはちょっと新鮮かもと思って視聴しました。
ただ、本作自体は見るのが辛そうなので気持ち的には”薄目”で(笑)。
なんの前情報もなくいきなりこのラストを見るのは衝撃が大きいでしょうが、知っているので意外とそこまで酷い気分にならずにすみました。
主なキャスト
周生辰(北陳劉氏皇族 小南辰王。南辰王軍を率いて西州を守る):任嘉倫
漼時宜(清河名門世家漼氏唯一の嫡女。生まれる前から太子妃となることが決められている):白鹿
劉子行(広陵王。天子伴読で冊封されることのない太子。時宜に恋している):王星越
蕭晏(元南蕭の第二皇子。実の父を殺した南蕭皇帝に抗って出家した):周陸啦
印象に残ったところ
全体的な印象は静かな物語、といったところ。
※微妙にネタバレです。
ストーリー展開は想像通り
ストーリー展開は意外などんでん返しもなく「まあ、そうなるよねぇ」といった印象でした。
男主周生辰の存在自体が皇帝にとって脅威でしかなく、その上無敗の将で民衆の支持も厚いとなれば、いくら本人に謀反の意思がなく粛々と責を果たそうとも、いずれは消される運命、というのがもうどうしようもないというところで、この手のストーリーは大体先が見えるというか。
また言ってる方は褒めてるつもりでも、元々微妙な存在の小南辰王 周生辰を「美人骨」=”帝王よりも貴重な骨(骨相?)”だなんて持て囃そうもんなら…元々能力の上でも引け目を感じている権力者が聞き流せるわけもなく、これが男主の悲惨な最期に繋がってしまうという追い討ちまであるのが本作。
さらに”謀反の意思がない証”として妻子を儲けないという誓いを立てた為、どんなに誰かを愛そうとも、その人とは決して結ばれないことが初めから決まっているので…酷い話ですよね。
周生辰に待っているのは、良くて名誉ある戦死で、最悪は謀反の罪などで陥れられること、なんですもんね。生まれは貴いのに…。(こういうのを見ると、どういう身分で生まれてもそれなりに苦労はあるんだなぁと改めて思います)
一方、女主漼時宜も生まれながらに太子妃となることが決められている運命。どんなに師匠(年もそれほど離れてない…これもポイントですねw)が尊敬に値する素敵な男性で、しかも自分を世界一大事に思ってくれようとも、嫁ぐことなど到底望めない立場。
この二人の関係が発展することは絶対にないので、ただ静かにお互いを想い合い、助け合い、一緒にいられるわずかな時間を惜しむ…ただそんなストーリーなんだなと。うん、想像通り(ヒロインに横恋慕する男が出てくることも含めw)。
前世として”運命の相手とはこういう因果があったのですよ”というのが、数話のストーリーとして入ってくる作りのドラマはそれほど珍しくない気がするのですが、その前世がしっかり24話のドラマとしてあるというのは、なかなか新鮮に感じました。
ま、それがなければこのドラマ、私は見られませんでした(笑)。
残酷なラストまでは、意外と静かで穏やかな運びという印象
主人公たちの設定やラストを先に知っていたので、あとは24話がどんな雰囲気で進んでいくのか、酷い境遇でひたすら辛い日々を送るようなストーリーだったら、見るのもしんどいな、と少し構えての視聴だったのですが、意外と静かで穏やかな日々を描いているという印象を受けました。
南辰王府の師弟たちは賑やかで新たな弟子、時宜も非常に温かく迎えているし、師匠である小南辰王周生辰も少しも偉ぶることのない、形だけの儀礼も要求しない、誰にでも公平な人物で人望があるし、南辰王府の結束も固く優秀な人たちなので、数々の政変でも正義を貫くべく活躍できていたし…で、意外と心穏やかに(?)視聴することができました。
ちなみに、この記事を書くにあたりウィキペディアを見ると周生辰のキャラクターモデルが北斉蘭陵王高長恭(あの”蘭陵王”の人物)とされていて「へ〜」と思いました。(まあ、高長恭は凌遅刑に処されたわけではないようですが)
南辰王府の家族のような温かさ、世間知らずの令嬢である時宜の失敗に対しても温かく、また公平に対応・指導する周生辰(ちょっと戸惑ってるのもいいですね)、南辰王軍出陣の際にはただ一人、みんなを見送り、ひたすら無事を祈りながら留守をする時宜、束の間の周生辰、時宜の二人の時間、蕭晏の登場と絆を結ぶ過程…などが過度な演出などなく静かに流れる時間といったムードで描かれているところがいいなと思いました。
キャスティングなど
キャスト陣もよくハマっていて周生辰の任嘉倫さん、時宜の白鹿さんの少し抑えめの表現も良かったですし、他にも南辰王府軍師 謝崇(傅隽さん)の素朴な人柄(時に父にも見えるようなところも)もよかったですし、蕭晏(周陸啦さん)も、最初は特に近しい関係でもなかったのに、ひょんなことから行動を共にし次第にお互いを認め合い、最後には軍師として周生辰の危機に兵を引き連れて突入してきたシーンも印象に残っています。
そしてピンポイントですが、私の好きな声優さんの盧力峰さんが楊邵(雍城の将軍で周生辰の刑執行直前に血書を預かった人物)の声を当てておられたので、ちょっと嬉しかったり(ただ、演じられた何奕辰さんの風貌からするとちょっと意外なキャスティングに感じましたが)。
声優さんといえば、男主周生辰を辺江さんが当てておられて、相変わらずかっこいいですね。本作では張傑さんじゃないんだぁとちょっと意外でしたが。
名前の中国語読み
やっとのキャラ名中国語読みですね!
いつもキャラの名前で、誰も一度も耳にすることのない日本語読みをふりがなで当てる意味ってなんだろう?と思っていたのですが、本作では中国語読みが当てられていました。
ヒロインの名前が時宜と十一で音を掛けている関係からでしょうが、これがまた後編の現代にも繋がっているんでしょうか?
漢字(これは必須)+中国語読みの表記、これからもお願いしたいです!
まとめ
ということで本作は前編。後編が現代ということでこの二人がどうなってしまうのかを見届けたいと思います。
こちらは心穏やかに見ることができる…のでしょうか?HEとは限りませんが。
↓後編を見終わりました!
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