GYAO!にて配信された中国ドラマ「山河令」を見終わりました。
全36話。
原題「山河令」(2021)(ビジュアル・その他情報はこちら→百度百科。またはこちら→维基百科)
「陳情令」と並んでこちらも人気ブロマンス作品の「山河令」。カテゴリとしては武侠もの。
実は少し前、家族が一時的に加入していたWOWOWで6話まで見られるという状況で2話で脱落してしまっていたのですが、今度はBS11にて放送されると知り、もう1回ちゃんと見てみようかなと思ったのでした(で、結局終了間際のGYAO!にて視聴するという…。いや、こちらはノーカットかなというのと、BSの録画はしているのですが、ある回を録り損ねているので)。
名前が似ているからかなんとなく比べてしまいますが、フレッシュで爽やか、キラキラした印象の「陳情令」に対して、こちらはもう少しクールで小気味よい会話の応酬が印象的な、落ち着いた雰囲気。主役二人が「陳情令」よりももう少し年上っぽいのも関係しているのかもしれませんが。
あと、仙侠と武侠の違いもあるのかな。
感想を一言で言うなら「後引くドラマ」でしょうか。
これは…特にラストですね。やられました。めちゃくちゃ後を引いてます…。
ちゃんと見直してよかった。
2023/7/20〜 BS11にて再放送があるそうです!
BS11にて2023年7月20日から 毎週火~金曜日 午前4時00分~5時00分枠で再放送されるらしいです!
※9月2日以降は土曜日も放送とのことで、確実な情報は公式サイトをご確認ください。
このドラマには「アナザーエンディング」という最終話の続きとしてスペシャルエピソードが存在するのですが、それはBS11+配信版にのみ含まれるそうです(初回時もテレビ放送はされませんでした)。
「アナザーエンディング」については本記事の下の方、「ラスト」という項目にて触れていますので、ネタバレ回避されたい方はご注意ください!
私もこの再放送は待ち望んでいたので嬉しいです♪(保存用にディスクに焼いたのですが、ある回を録り損ねてしまっていたので…)
主なキャスト
周子舒(晋王に仕える暗殺組織である天窗の首領。四季山荘荘主):張哲瀚
温客行(風流人を装った謎の男):龔俊
顧湘(温客行の侍女):周也
曹蔚寧(清風剣派の弟子):馬聞遠
張成嶺(鏡湖派の掌門張玉森の三男):孫浠倫
葉白衣(長明山剣仙):黄宥明
趙敬(太湖派掌門で五湖盟五兄弟の二番目):王若麟
蠍王(暗殺組織毒蠍の首領。本名は蠍揭留波で趙敬の義子):李岱昆
とりあえずプロフィールはスタート時のものに留めました。ちゃんと書いたら温客行なんてどんなに長くなるか…w
とにかく登場人物が多く、門派や組織の名前もそれぞれに沢山あって、把握しておくべき名前や別に把握しなくてもよい名前などごちゃ混ぜに次々登場して、最初は頭が忙しかったです(というか、初見では正直厳しいと思いました)。
印象に残ったところ
よくできたストーリーでストレスのない展開
一人は余命三年で今までの人生で大きな悔いを抱えている。もう一人は自分の命も厭わない大掛かりな復讐を目論んでいる。
共に悪とも言える組織・集団のトップでその二人が出会い、知己となり、二人でもう少し生きていたいという思いが芽生え始める…。
一夜にして無敵になれると言われる武庫の鍵「琉璃甲」(透明でキレイ。琉璃甲は本当は「錠」)をめぐる壮大な争いをベースに一人のタイムリミットと一人の無謀とも言えるような企みがどうなっていくのか、という興味でもって進んでいくストーリーで引き込まれました。
緊張感ある運びながらも、二人の間にはいつも可愛い成嶺が癒しを与え(まるで子供のような?w)ほっこりできる場面も。
36話という比較的コンパクトなサイズ感で、最後には伏線の回収もあり収まりも良く、よくできたストーリーだと思いました。
その割に登場人物は多すぎるけど。
(私的には35話前後ってちょうどいいサイズ感なんですよね。みんなこれくらいにならないかな)
問題は色々起こるけど、主役の二人は(顧湘もだけど)武術の達人で頼もしいし、古装でよくある”ひたすら耐え忍ぶパート”がなくて、また理不尽でネチネチしたキャラも出てこず、ストレスなく楽しむことができました。私にとってこれは結構ポイント高いです。(「陳情令」はちょっとしんどいパートがあったんですよね)
アクションシーンが美しい
アクションシーンも、ストップモーションとキレのある動きのメリハリがあって美しく、楽しめました。
みんなよくクルクル回るんですが、その時に、着ている衣がフワッと広がってこれまた美しい。
剣を使う達人が多かったですが、中には扇子(先に刃がついているようで、ブーメランのように使える)を使う温客行や鞭を使う顧湘みたいな人もいて面白かったです。
印象に残っているのは温客行と葉白衣の手合わせで、川にかかる橋の上で戦っているのに、二人の”気”(?)で川に何本もの水柱がドーン!と立ったシーンで「おお〜」と思いました。
OSTが良い
これ、コンサートも行われたんですよね。
それもなるほどと思えるほどOST、良かったです。
主役のお二人が歌う『天涯客』もしみじみして良かったですが(ギターを使ったアレンジが意外だけどハマっていて、じわっとくる温かさ)、やっぱりオープニングの『天問』、切なくてカッコ良かったです。「♪問○ 問○〜」という形で繰り返すキレの良い歌詞がメロディにハマって良い!(こういう短いフレーズには日本語って載せにくいですよね〜)
こちらを歌うのは劉宇寧さん。もう私、ファンなんだと思います。どれ聴いても好きだもんw
漢気あるセリフが小気味よい
※この項目はネタバレです。
漢気があって小気味よいセリフが印象的でした。
もうそのものズバリ書いときます。
・9話 まだまだ寝足りない阿絮(周子舒)を無理に起こす老温(温客行)に対して阿絮「しつこい 殺すぞ」(シンプルでいいですね)。もちろん老温には全然響いてないけど。
(字幕は字数制限があるので、実際はなんて言ってるんだろうと思ったら「再闹信不信砍了你」だったよう。「また騒いだらぶった斬るぞ」って感じですかね? ”砍”ww)
・31話 阿絮を助けに、文字通り颯爽と舞い降りた老温。天窗から抜けてきた師弟たちを従え、大師兄阿絮に対して「不肖の二番弟子」と名乗り拝礼。
・36話 昏睡状態の老温を残し、残り僅かな命で晋王の野望を阻止すべく旅立った阿絮。横たわる老温の元へ駆けつけ内功を修復する葉白衣が「私より先には誰も死なせぬ」。
あと、「ラスト」の項目で触れる最終話の老温最後の言葉も
…ま、他にももっとありますが、ひとまずこんな感じで。
「山河令」のブロマンス具合
ブロマンス作品(原作が耽美小説というのが一応の基準でしょうか?それをBL→知己に改変)と言ってもその”度合いとかニュアンス”は結構色々だな〜と感じて、これも面白いです。
で、本作「山河令」。お互い口では結構ズバズバ言うものの、割とスキンシップが多い二人だな〜というのが印象でした。
助けるために抱き起こすくらいはどの作品でも普通にありますが、本作では抱き締めあったり、酔って抱きついたり、手を繋いだり、髪を梳いたり…(ま、髪には理由があるのですが)。結構”触る”ねw
ただ意外と”ベタベタしてる”という印象もないのですが。
これ、二人を師兄と師弟という兄弟関係にしたからアリになったんでしょうかね?(審査的に)
まさしく文字通りの”兄弟情”。
それでも噂(?)によると、審査を懸念してかカットになった良いシーンもまだ他にあったようです。残念。いいかげん、こういう規制なくなりませんかねぇ?さらに良い作品になったのに。時代的にも逆行してる気がします。国内で規制したところで海外作品を見る機会もあるわけだし、あんまり意味ないんじゃ…?
ま、その辺はさておき、はっきりズバッとした物言いとスキンシップのバランス。結構好きですw
印象に残ったキャラ
悪役はいるものの、ネチネチと理不尽な理屈をこねてイライラさせられるキャラがいなかったのは、本当に見やすかったです。
個性が強いキャラが多いこの作品で、特に印象に残ったキャラというと…
※この項目はネタバレを含みます。
温客行:龔俊
やっぱり一番印象が強かったのはこのキャラ。
美味しすぎません?!
一見オープンな風流人という風情でありながらどこか素性がわからないという謎めいた雰囲気から始まって、裏の恐ろしい一面もあり、生い立ちの可哀想なところ、教養はあって公子然として見えるのに実は口が悪く、やんちゃで小憎たらしい子供のような面も。ただ、阿絮に対しては本当に一途な様子も。
まだまだ両親の愛情が必要な幼子の頃に、無残な両親の最期を目の当たりにする羽目になり、その後も地獄のような場所でひたすら復讐を支えに生き延び、自分をも含めた全ての世界を滅ぼそうとするほどのダークサイドに堕ちていたところを阿絮に出会い、普通の人生を送りたいという思いが芽生え始め…という流れ。
あるキャラが闇落ちする話じゃなくて、闇から這い上がりたいと願う話なんですね。
温客行の複雑な”人となり”も全て過去のエピソードに裏付けがあって、ちゃんと感情移入しやすかったです。
義の為に亡くなった両親の汚名を晴らし、仇を討つためだけに成長し力をつけ、鬼谷で殺るか殺られるかという環境を生き抜くために残忍さを身につけた。誰のことも信用できないのはそうした生い立ちのせい。
ただ、顧湘を守り育てたことでわずかな人情を保っていた面も。
阿絮と出会って流雲九宮歩を見てハッとし、その後そのまま見過ごせなかったのは、やっぱり大切な人のオーラみたいなものをどこかに感じたから?(肩甲骨の美しさ(骨格フェチは神医谷という出自から?)をずっと熱く語ってたけど、昔から「美形だな〜」と思ってたのかな?)
元々の性格もやんちゃそうだけど、少々小憎たらしい子供染みた物言いをしがちなのは、早くに両親を亡くして甘え足りなかったから?クールで冷静な阿絮に対して、やはりどことなく弟っぽさを感じる(弟が未熟ということでもないんですが)。
なぜか同じく”子供相手”に少しムキになりがちな葉白衣との軽いバトルは毎回見ものw
また、時に気性が激しいのは情の深さの裏返しのような。
(そして子供時代を演じられた蕭李臻瑱くん。お顔立ち云々ではなく、雰囲気がちゃんと大人温客行とリンクしているのも良かった)
演じられた龔俊さん、身長が高くてイケメンですけど(指も長くて手も綺麗)、精悍な顔立ちというよりはどことなく可愛さも滲んでいるタイプなので、普段はスカしている温客行が恩人に対面して本心から戸惑い、そこで兄のような阿絮にフォローされるところなんかで、意外な弟っぽい可愛さが出たりするところが本当によくハマっていて良かったです。
その前に鬼谷の谷主としての残忍さが顕になっているシーンも見てたりするのに、このギャップは凄い。両極端な面を違和感なく一人の人物として演じておられたと思いました。
そしてそんな人が、最後は生涯で一番大切な阿絮の為に命を捧げる…。
美味しすぎるじゃないですか!!w
もう、めちゃくちゃ後を引きました…。
言いたいことが多すぎてちょっと纏まりが悪いですが、とにかくこの温客行というキャラクター、魅力的でした。
周子舒:張哲瀚
もう一人の主人公温客行が色んな意味で派手なので、その分ちょっと”印象を持っていかれがち”なところもありますが、でもやっぱり周子舒、魅力的でした。
本人の意思とは別に、状況のせいで自分の本意ではないことにも手を染めてきたけど、基本的には男気があって義に篤く、クールに見えて実は情にほだされやすいところもあり、武術の達人で美男子という、シンプルにカッコいいキャラ。
彼のためならと命を差し出す人が何人も登場するのも納得がいきます。
たまに人をからかうような悪戯好きっぽいところや美女に弱いところもちゃんとあって、もうツッコミどころがないw
女子からももちろんですが、特に”男が惚れる男”的なキャラかな、と思いました。
そんな彼は、守りたい人たちを守れなかったことで心が折れ、もうこれ以上意に染まぬことをしたくないと体に釘を打って余命を縮めてまで(自らが定めた刑)組織の束縛から逃れ、どこかで人知れず朽ち果てていくのだろうと諦めていたのが、老温と出会い知己という存在を得ることができたことで、少し残りの人生に欲が出てきたのに、体はどんどん衰えてゆく…という悲しさが切なくて痛々しかったです。
自分の人生のカウントダウンが始まったからか比較的何があっても冷静に受け止めて見える阿絮も老温の仮死事件で老温が死んだと思った時は完全に心が折れてしまったようでこれも本当に辛い。
そして、もう思い残すことなく釘を全部抜いてしまうなんて…(この行為はまさに自殺行為。これについては、言わなかった周りが本当に悪い!)
演じられた張哲瀚さん、美しくて目の保養になるのはもちろんですが、この周子舒という、個性が強すぎる周りに比べてそこまで尖った特徴がないキャラでも、心理描写の丁寧さと、立体的で奥深い人物造形で惹きつけられました。
個人的な好みからいうと、後半の師匠然、師兄然とした包容力のある落ち着きよりも、前半のもう少し尖った感じ(さらっと「殺すぞ」とか言っちゃうような)の方が好きなんですが。
まあ、根が優しい人だから仕方ない。
蠍王:李岱昆
一言で言ってしまうと残忍な美少年キャラ、でしょうか。
天窗とは違う縄張りで暗躍する暗殺組織毒蠍の首領。異形で扱いにくい暗殺者たちをも取り仕切る冷酷なトップ。
また実は、邪道とされる毒蠍とは相反する、正道を掲げる五湖盟五兄弟の趙敬の義子。
この蠍王、息子としての義理というより義父の愛情を得ようと必死に尽くしているという様子。
配下の前で見せる冷酷な面とは真逆の甘えんぼモードで父に接する様子は、埋めきれない寂しさを抱える少年のようで強く印象に残っています。
義父の趙敬は甘言を弄することに長けた人物で、実はあっちこっちに対して甘い言葉で上手く人を使っており、そうはわかっていても義父の愛情を信じたい蠍王との、この親子の関係の”末路”も見ものでした。
また最後に、艶鬼を憐んで見せた優しさ(ちょっと涙ぐんでいたような)も印象的でした。于丘烽と艶鬼の関係に、自分との義父との関係を重ね合わせてシンパシーを感じたのでしょうか。
このキャラもかなり印象に残っています。
ラスト
※この項目はネタバレです。
因縁の地である雪山の中の武庫の前にて。
自分の残り少ない命と逃れようのない雪崩に、いよいよ覚悟を決めた阿絮の前にさっと現れた老温。
以前老温が阿絮に挿した簪を抜き取り鍵の形に戻して(これだったんだね!)扉を開き、間一髪で中に逃げ込んだ二人。入り口は完全に雪で埋もれてしまった。
この武庫。中がまるで探検ものに出てくるセットのようで、盗墓もの好きの私としてはワクワク♪
散々色々あったのちの最終話に、二人きりでこんな静かな場所を探索しているなんて…と不思議な気分でした。このまま二人で末長く暮らせればいいのに…なんて思えます。
武庫の中を色々見て回ってわかった、この武庫の存在意義や阿絮の父と先代晋王との出来事などのオチも、なるほどという感じでした。
ここでの阿絮と老温の会話…俺が簪を置いてきたら台無しだったなと言う阿絮に、死地に赴くなら必ず挿していくと確信している老温や、六合心法について、会得したら生涯この雪山を離れることはできず、口にするものも氷雪に限られるがそうやって一緒に生きてくれるか?と聞く老温に阿絮は熟慮しないとな、なんて返しつつ、迷いなく備える二人…なんかも良かった。
(結局これで剣仙である葉白衣の不老長寿についてもわかりました。その武術はある特別な修行を極めた成果などではなく、親友の彼に命を捧げた初代鬼谷谷主で容炫の父容長青の犠牲があってのもの。でもいくら至高の武術を身につけたところで雪山でただ一人、氷雪のみを食べ、それが永遠に続く人生の虚しさは想像に難くありません。たとえ俗世に戻り、通常の食事をしたことで人並みに老化が始まろうと、それを選んだ葉白衣には共感します。そして老温の密かな決心により阿絮も同じ運命を辿ることに…)
阿絮と共に六合心法を修めるていで、実は内緒で自分の命を犠牲にして阿絮を生き永らえさせようとする老温。もう聴力が消えてしまい反応のない阿絮に対してそのことを告白したうえで「残された者こそ、つらく苦しい。お前は師兄だろ?引き受けてくれ」と。
最後まで老温らしい物言いですが、本当に切ないです。
六合心法で阿絮を助けるにあたって素朴な疑問
これ、葉白衣が六合心法を老温に授け、その老温が命と引き換えに阿絮を助ける方法を取っていますが、なんで葉白衣が直接阿絮にそれをやってくれないの?と思ってるんですが…???
この方法だとなんだか老温の犠牲が無駄に感じるんですが…。
間に合わなかったってこと?
ちょっと引っかかりまして。何か勘違いか見落としでもしてるのかな?
陰陽冊って結局役に立たないの?
武庫に入って割とあっさり老温が陰陽冊(神医谷の奥義書で死者を蘇らせるとも不治の病を治せるとも言われている)を見つけてますが、あれは結局役に立たなかったのでしょうか?
これも、陰陽冊で阿絮を治せるなら老温が犠牲になることもないし…。
(まあ、容炫は陰陽冊の秘術であんなことになったので、万能の書ではなかったということなのかしら)
老温ほんとの最後の言葉?
こちら「アナザーエンディング」について調べていた時に知った情報なのですが、老温が白髪になって力尽きてしまう直前、阿絮に声にならない言葉で何か言っていたそうで(本編にも音声はなし)。
それは「爱你(愛している)」で、カタカナで書くと「アイ ニィ」。
そして最後の真気を出し切るように力み、ついに力尽きる老温。
…という流れ。
映像を見ると、そう言われればそう見えます。
また、撮影時の老温役の龔俊さんの原声付きの映像とされるものも投稿されていました(映像処理前のもの)。ちょっとノイズが大きくて「確かに」とは言いにくのですが(「爱你」とは聞こえます)、まあそういう風に作ってあるのもアリかも知れないなと。聴力を失った阿絮には声は聞こえないはずですし…。
老温が最後にそう言ったとすれば、それはまた切なさが増しますし、そこに気づかなかったり、「気のせいでしょ」としか思えない人がいても、別に問題ないという感じかと。
届く人には届くってやつでしょうか。(ま、これこそ審査の問題もありますし)
ただ、ですねぇ…私はやられましたw めちゃくちゃ後引いてます。
なんと切ないことかと。。。老温、健気すぎる。
自分の人生最後に、誰に何を伝えたいか(相手に届かなくても)。そういうことを考えるとジーンと来てしまいました。
なんで言わなかったの?!
ここまできてやっぱり強く思うのは「なんであの時阿絮に計画(老温の仮死作戦)を伝えなかったの?!」ということ。
阿絮が釘さえ抜かなければ全てうまくいったのに!って。
彼の身体を気遣ったとはいえ、ちゃんと説明すれば納得してもらえただろうに。
また伝えないならそれで、彼が目覚める前に全て片をつけるか、目覚めた時に誰か傍についてるべきでしたよね。ロミオとジュリエットみたいな行き違いが起きちゃったわけです。
これで阿絮は二度も老温を失ったことになります。
決して一人で長生きしたかったわけではなく、老温とだから生きたかったのに…と思うとなんともやりきれない思いです。
ただ、もし彼らが逆の立場でもやはり同じことをしてしまったかもしれないなと、なんとなく思いました。
彩蛋/アナザーエンディング
本編の二人の最後は、全ての髪が真っ白になって力尽きてしまった老温と、回復して目覚めたものの変わり果てた老温の姿に呆然としてしまった阿絮を描いたのみで、その後大人になって師匠になった成嶺が弟子たちに語り聞かせている二人の話も結末を言い切らず、見ているこっちとしては「結局どうなったの?」という疑問が残る状態。
私としては、大巫もいるし、陰陽冊もあるし、葉前辈は…(彼って老温に六合心法を授けた時点で廃人のようになってしまったんでしょうか?)わからないけど、なんとかなったでしょ!って無理矢理思いたいように(二人とも無事だったと)思っておこうとしていましたw(後味重視派の私)
ただ、葉前辈が老温に「お前の命と引き換えになる」と言っていたのも気になってはいたのですが…(やっぱり助かるのはムリか…と)(じゃあ「私より先には誰も死なせぬ」発言は一時的なもの?)
そうしたら、動画のコメント欄で「アナザーエンディング」なるものが存在することを教えてくださっている人がおられたので、私も探してみました。
数年後。雪山で修行する少年の前に現れる白い衣を纏った阿絮と、彼に軽口を挟むかたちで続いて現れる老温(髪は真っ白)。二人は相変わらずの様子で言葉を交わし、それから手合わせに。少年が呆気に取られていると父親が現れ(あの鄧寬!)”あのお二人はいつもあの調子で戦っておられる”と息子に語る…。
…みたいな(ざっくりですが)。
WOWOWでは(かな?)最終話本編の後、通常のエンディング曲の後にこのエピソードが流れたそうですね。
何がどうなったのかわかりませんが、とにかく、二人が二人らしく過ごしている様子が感じられて嬉しくなりました。
もしかしたら阿絮が見た幻?とも思ったけど親子にもちゃんと二人が見えているようだし、ま、たとえ実体はない存在だったとしても阿絮と老温が二人並んだ姿がみられて、精神安定上、非常に良かったです!
未発表 バッドエンドver.
…と思ったら、未発表のバッドエンドver.も一応あったようで…。
それは、前述の雪山で阿絮に声をかけた老温が、実は阿絮の見た幻だった…というもの。
いや、それはあかん!w
一番現実味があるけど、頭でわかってたけど、そしたらわざわざ映像で見たくないやつですわ。それだったら本編のままでいいです。
未発表で何よりw
その他ピンポイント一言感想
○山河令ってブツが登場するとは。令牌だったんですね(そして「陳情令」はどういう意味だったんだろう)
○一夜にして無敵になるために命をかける不思議
○曹蔚寧の師匠(莫懐陽)が鬼よりも鬼畜で呆気に取られた。結局、正道を掲げる者の方が鬼谷の鬼たちより腹黒いのは皮肉
まとめ
ということで、とても長くなってしまったのでこの辺で終わりにしたいと思います。
印象に残るキャラは他にも可愛い成嶺(二人の鎹!)や顧湘(ウザキャラにもなりかねないところを、ちゃんと可愛く仕上げられたのは素晴らしい♪)、曹蔚寧も癒しでした。
これほど後引くドラマだったなんて、ちゃんと見直して良かったです。
そして、張哲瀚さんの映像復帰が1日も早く叶いますように…!
(状況を知れば知るほど、この作品を見るのが本当に複雑な気分になるのですが…でもまあ、このドラマ自体は本当に良かった!それは違いない!)
おまけ:吹き替え版の”ちょっと見せ”にビックリ!
YouTubeでこの「山河令」の日本語吹き替え版の”ちょっと見せ”という動画が目についたので、チラリと覗いてみました。
とにかく色々ビックリ。
武士口調がどうにも引っかかって、話の内容が入ってこずw (まあ、熟慮の結果なのでしょうが)
あと、強いていうなら周子舒と温客行の声優さんは入れ替わった方がイメージに近いような…(コメント欄でも同様の意見が結構あった気が)。老温の年齢に(と体格も)合ってない気がするんですよね。
吹き替え版しか見ていない人と字幕版を見た人では、かなり印象が違ってくるんだろうなぁと感じました。
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