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【中国ドラマ】「鳳凰の飛翔」感想:緻密で丁寧な描写の復讐×権謀×恋愛時代劇。良い…けど長い…けど良い。

中国ドラマ

BS11にて中国ドラマ「鳳凰の飛翔」を見終わりました。
全70話。
原題「天盛長歌」(2018)(ビジュアル、その他情報はこちら→百度百科

シリアスな復讐・恋愛ものの時代劇で普段あまり手を出さないジャンルのドラマですが、主演のお二人が「風起隴西」で素敵だった陳坤さんと、「西出玉門」でカッコよかった倪妮さんというところに惹かれて見てみました。

こちら、第一話からのめり込むことができた、私にしては珍しいドラマで(私、気分が乗るのに時間がかかるタイプなので)ストーリー展開にも惹きつけられましたし、期待通り主演のお二人(含め俳優陣みなさん)も良かったですし、見てよかったなと思いました。
だいぶ、長いですけど(笑)
久しぶりの長尺ドラマで若干キツかったですが、でもまあ見てよかったです(楽しめましたが”あっという間でした”とは、決して言えない 笑)。

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主なキャスト

寧弈(天盛王朝第六皇子 楚王。第三皇子寧喬が反逆罪で誣告された際、助けようとした為宗正寺に八年もの間幽閉されていた):陳坤

鳳知微(父亡き後、母秋明纓と双子の弟鳳皓と共に、伯父である秋尚奇(五軍都督)の屋敷に身を寄せている):倪妮

辛子硯(天盛王朝内閣の光祿大夫。青溟書院院首。太子少保):趙立新

寧世征(天盛王朝皇帝。大成王朝の閔海侯だったが悪政を憂えて挙兵し天盛王朝を建国した):倪大紅

寧川(天盛王朝第一皇子の皇太子。唯一の嫡子):海一天

顧南衣鳳知微の護衛):白敬亭

赫連錚金獅国の世子):張暁晨

晋思羽大悦第三皇子 安王):袁弘

※プロフィールは登場時にとどめます。
全70話だけあって、話の移り変わりに従って登場人物も多いですし、”主な”キャラを絞るのも一苦労(笑)です。

印象に残ったところ

ざっくりいうと、復讐×権謀×恋愛の時代劇で、恋愛もあるけどそれがメインではないし、甘さがあまりないというか”ビター”な描き方だったのが、私好みで最後まで見やすかったです。
どちらかというと最終的には、皇子たちの皇位継承権争いの過酷さ(もはや皇家に生まれた皇子たちの生存競争といってもいいほど)が強く印象に残りました。

第一話から”掴み”が良い

一話から掴みが良くて、早々に引き込まれました。

まず目に入ってくる落ち着いた色調の映像が映画っぽく、シックで好みでした。カッコ良い美しさというか。
それに陳坤さん演じる、わざとらしくメソメソする皇子寧弈も、何があるんだ?って、すぐに前のめりに。
また倪妮さんの男装も違和感なく素敵なのはイメージ通り。ちょっと中性的な魅力があるんですよね。男の子っぽい振る舞いも無理がない感じだし(これは「西出玉門」で豪快な女主を見ていたので期待通りでした)。

私個人的に、この手のシリアスなドラマで1話からぐっと前のめりに見られるものはなかなかないので、早くも期待大でした。そして既に「見て良かった」感が(笑)

美術的にも素敵

時代の設定としては架空のようですが、美術が重厚感がありつつ、ギラついていなくてかっこいいなと思いました。少しモダンなニュアンスもあって、アート感も感じられて、個人的にかなり好みでした。特に楚王府の応接間(?)にある”能面”みたいな装飾が印象に残っています。

髪型も華美すぎず、スッキリしてるのも素敵。男子の簪も幾何学的なデザインで、現代の感覚で見ても普通に良くて。特に陳坤さん、冴えざえとした美しさでほんと素敵でした。

やっぱり、古装はこういうポイント大事ですよね。

キャラの人物造形が綿密に作られていて、ストーリー展開に自然な奥行きあり

主役だけでなく、全てのキャラの人物設定が詳細に作られているなあと感じました。それぞれのキャラにちゃんとドラマがあるというか。(→Wiki(維基百科)の人物プロフィール見るだけで、ドラマの細かい枝葉まで思い出せて、良い復習になります 笑)。
またキャラそれぞれの主張もそのキャラなりの筋がちゃんと通っていて(薄っぺらくなく)、ストーリー展開が自然なのも良かったです。

そしてやっぱりキャラでは男主である寧弈が特別

女主、鳳知微も、ヒロイン無関心派(なんの派閥か)の私から見てもかなり好感度の高いヒロインだったんですよ。倪妮さんも好演だったし。
でもやっぱり男主、寧弈がキャラ的にもすごく特別感が感じられる人物で、より強く印象に残っています。

まず登場からいきなり垂髪っていうのか、髪を結わずに垂らした状態(悪夢にうなされていたので)で、意外と男主のそういう姿を見るのは珍しいなと思ったのが印象的でした。しかも彼、ドラマ中何度もこの姿で登場しています。この姿の陳坤さん、独特の色気がありましたねぇ。

あと、寧弈ってめちゃくちゃ優秀。八歳で長兄と共に前王朝の孤児逮捕に出かけているなんて。それは”ちょっと残念な長兄”も焦って”ズル”したくなりますわね。

また、幼い頃は優秀だったこともあってか少し尊大なところもある皇子だったようですが、宗正寺に幽閉されてからは皇子らしからぬ錦繍に力を入れ(しかも、かなりの財を築いたりまでも)、”六郎”として気ままな姿で民と交流したり、朝廷に返り咲いてからもしっかりとした”企み”のもと、無能と無欲を装い、ヘラヘラ、メソメソして見せたりすることも厭わない。とても忍耐強いところもある。

また母が大悦日落族の神女ということもあって、母ゆずりの少しエキゾチックな美貌の持ち主というか、これもキャスティングの妙で陳坤さんにすごくハマっていると思いました。

性格的には少しシャイなのか天邪鬼なところがあって、特に鳳知微に対しては面と向かっての扱いはひどい割には、陰ながら体を張って助けたりと、情の深いところがあるのも面白い設定で。

でも、当然ながら有能なのはもちろん、皇子としての威厳はあるし、戦うと決めた相手には容赦ない。

こんな”はちゃめちゃ”な要素が詰まった人物像を男主として魅力的に表現されていた陳坤さんはやっぱり凄いなと思いました。期待通りどころか期待以上に素敵で、見てよかったという気にさせてもらいました。

その他の印象に残ったキャラ

辛子硯の弁舌が見事過ぎた!そしてその人本人としか思えない存在感の趙立新さんがこれまたお見事。(そういえば「ミーユエ 王朝を照らす月」張儀もこのタイプのキャラだったような)

○皇帝寧世征が厳しいながらも、筋の通った意外としっかりした人でストレスフリー。そして、ただの”皇帝”という存在だけに留まらず、しっかりとストーリーに関係しているキャラクターで見応えありでした。演じられた倪大紅さん、特に皇帝っぽい説得力のある独特の”間”と、緩急のあるしゃがれ声のセリフが強烈に印象に残っています。

○結局給使(趙淵)は最後までずっと良い人だったのが意外だけどほっこり。太監(劇中では”内侍総管”?)がそういうキャラって珍しいような。

寧澄顧南衣燕懐石たちが最後まで無事でホッとした。ああいう男主、女主に尽くしている人たちって後半酷い目に会いがちなので(苦笑)あんなバトル・ロワイアル的な世界の中では奇跡的。(華瓊は混乱の中、呆気ない最期で気の毒だった…)

○兄弟たち以外の寧弈の敵、閔海の常忠信代旭さん)、大悦の安王 晋思羽袁弘さん)の存在感はさすがという感じでした。そしてなんといっても閔海公の常遠尹鑄勝さん)のいやらしさ(笑)、忘れられません。こちらもさすがといった感じ。

突っ込みどころがない

見てて思ったことが全部セリフになってるので、こっちも何もいうことがないのが凄いなと 笑。

灩妃顧南衣の「全て前王朝に固執した大人が子供たちに押し付けた結果」、とか

辛子硯寧弈の「たとえ皇籍を離れても、生きている限り犠牲はなくならない」、とか

寧世征知微の「結局寧弈とそなたも、朕と灩妃と同じように憎しみ合う夫婦になる」、とか

あとは「皇家に生まれて家族の情を望むなど贅沢なことだ」や「皇帝など宮殿に囚われた囚人に等しい」などなど。

みんな言うことが筋が通ってて、全くモヤモヤしなかったし、なんならこっちが思いつく前に言われてることもあるような。

…だからか、長いw

こんな風に、それぞれのキャラの経験からくる思いや野望も丁寧に描かれていて、飛躍している感じがないのが見やすかったです。でも、というかだから長いは長い(笑)

ラスト、女主が悲しいというか残念

知微のラスト、彼女の気持ちはわからなくもないけど、なんだか急に“悲劇のヒロインぶってる”ように見えてしまったのが残念でした。あれ?そんな人だったの?みたいな。
あれだけの多くの犠牲が結局無駄になるとは思わなかったのかなと。

大成の復興が無理なら、せめて大成の残党も安心して暮らせる国づくりを寧弈としても良かったのではと。
皇后に迎えられることは、決して浮ついたハッピーなことだけではないし、これから寧弈は孤独に茨の道を歩まないといけないのに、それは自分に関係ないと?
もし大成の復興が叶っていたら大成の皇女として自分がしなければいけなかったことを、これから寧弈はしていくんだから、そういう風には思えなかったのかなと。彼は知微を軽んじるわけはないし…。

…と、”初見では”思ってしまったんですよ。(…結局2周しましたw 長すぎて1回だけでは思い出せないことも多かったので)

ただ、よく考えてみると、流れた血の多さよりも、”皇帝の最後の言葉が刺さった”んじゃないかなとも思えまして。

知微は皇帝のことを義も情もないというけど、果たして即位した寧弈は違うと言えるか?というやつ。
皇帝は国のための決断をしなければいけないし、そのために時には無情とも言える選択を迫られる、自分の情を優先させることなどできない孤独な存在。

”結局そなたと寧弈も、朕と灩妃と同じく、憎しみ合う夫婦になってしまう”という呪いのような言葉。だけど、妙に説得力がある。愛し合っているだけではどうしようもない立場と環境。

現に、権謀の中でいろんな人間の思惑によって、互いに疑い合い憎しみも持ってしまう経験をしている二人。聡明な知微が楽観的に考えられるはずもなく、というかこの言葉でむしろ絶望したのではないかと思えました。

これを狙っていたなら皇帝寧世征、流石の策士です。

まとめ

結局、天盛王朝だけでなく、女主も含め、皇家に生まれたら”修羅の人生”ってことなんだな、というのが強く印象に残りました。尊い身分に生まれるのも大変…。

でもまあ総じて言うと、男主も女主もかなり好みだったので、その点では最後まで楽しめました。見てよかったです。

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