YouTube「芒果TV季风频道 MangoTV Monsoon」チャンネルにて、中国ドラマ「底線 Draw the Line」(2022)を見終わりました。
全40集。
(ビジュアル、その他情報はこちら→百度百科)
こちらをご覧になった方の感想を読んで「見たいな〜」と思っていたところ、ちょうど上記のYouTubeチャンネルで更新中だったので早速見てみることにしました。
法廷を舞台にした現代もののドラマです。
お目当ては今ハマり中の成毅さん。ええ、これが「見たいな〜」の動機ですw キャラが良いらしくて。
元々日本のドラマでも業界ものは割と好きなので、多少重たくても見れるんじゃないかなと思っていたのですが、リアルではあるものの人間味溢れる裁判官たちの日常も描かれているせいか、意外と重苦しさはなく、和む場面もあり、もちろん緊張感のある部分もありで、すごくのめり込んで楽しむことができました。
一言で言うなら「いろんな面でクオリティの高い法廷ドラマ」でした。
主なキャスト
方遠(星城区人民法院 立案庭の庭長。星城区人民法院 副院長である張偉民の弟子):靳東
周亦安(星城区人民法院 立案庭裁判官補佐→民一庭 裁判官。方遠の弟子):成毅
葉芯(最高人民法院の幹部。自己研鑽のため自ら志願して星城区人民法院立案庭にて裁判官補佐として経験を積む):蔡文静
宋羽霏(榕州市中級人民法院 刑一庭の副庭長。張偉民の弟子):王秀竹
舒蘇(星城区人民法院 民一庭 書記員):王莎莎
陳康(星城区人民法院 民一庭の庭長):王勁松
王秀芳(星城区人民法院 立案庭裁判官補佐):王一楠
…どこまであげていいかわからないほど登場人物が多く、また豪華キャストです。私もまだまだ俳優さんに詳しいとは言えないですが、それでも知ってる人が沢山いて、贅沢な使われ方でした。
印象に残ったところ
案件の複雑さや展開がリアルで引きつけられる
実際の事件をモデルにした案件も幾つかあるらしく、その内容や事情は複雑で、トラブルとしてとてもリアルだったので、どう決着がつくのだろうとのめり込んで見てしまいました。
しかも、一旦調停で落ち着いたかに見えてもしばらくして当事者の思惑や、新たな事実の判明によって再度不服を申し出るケースもあったりして、リアルだと思いました。
また、それらが何件も同時進行するんですよね。まあ、それが現実だとは思うのですが、ドラマでもそれを再現しているのは私的には初めてでとても引きつけられました。
一番印象に残っている案件は秦玲の離婚訴訟(余命わずかの女性が幼子と母親のために、失踪中の夫と離婚を成立させようとする案件)で、これは泣けました。
ほんと、生きていればいろんなことが起こるもんだなぁと改めて感じました。
俳優陣のクオリティが高い
このドラマの一番の印象はこれかもしれません。
一旦見始めれば、これがドラマだとか、見ている人たちは俳優さんたちだということがすっかり頭から飛ぶくらいリアルな世界を覗いている気分にさせられるのが、本当にすごいな〜と思いまして。
プロフェッショナルにそういうことをいうのは返って失礼だとも思うのですが、それでも、セリフを覚えて、内容を理解して、というプロセスだけで、俳優さんがあれほどの法律家に見えてしまうのは、やっぱり感動ものです。
ドラマでは当事者の訴えから裁判官の調査、度々の調停(当事者たちが声を荒げて大揉めになることなど日常茶飯事)、裁判など丁寧にシーンを重ねていくのですが、その瞬間瞬間でも裁判官、弁護士などの個人的な感情がありつつも口にすべきこと、すべきでないことを弁えて話す、そいういった細かい表現も、本当にリアルに見ることができました。
(また揉めてる当事者たちもめちゃくちゃリアルなんですよ)
個性豊かな裁判官たちの日常も描かれて、意外と和むシーンも多い
よくある法廷ものでも案件に関わるシーンがメインで、いかにも法の専門家然としているところしか見えない作品しか見たことがないのですが、この作品では話数が多いこともあってか、裁判官たちの日常や個人的な悩み、課題、職務に感じる大きなプレッシャーなども描かれており、またそれぞれに個性が豊かで「ああ、こういう人たちも一人の人間なんだよなぁ」なんて改めて思えることが新鮮でした。
また同じ師匠に師事していたり、職場の同僚だったりで、もしかしたら狭い世界なのかもしれないけど、チームワークを深めるべく忙しい合間を縫って食事を共にするだけでなく、一緒にスポーツをしたり、恋愛の後押しをしたりwと和むシーンも多かったです。
印象に残っているエピソードは方遠自身の離婚騒動で、その時には方遠を弟子の周亦安がなだめて折れるように説得し、妻の李小楽には師妹の宋羽霏が話を聞いて寄り添い、幼い娘の方可莉にはこれまた弟子の葉芯が寄り添って揉め事の原因となった学校のイジメの実態を聞き出し、となったところ。方遠夫妻の危機にすぐに駆けつけた仲間たちはみんなプロだし、こんな心強いことはないな〜なんて。
ちょっと話がずれますが、”裁判官は社会的地位は高くても給料が安い”みたいに劇中何度かセリフがありましたが、そうなんですかね?ま、弁護士は力量によってはすごく稼いでたりするイメージがありますけど。
ドラマ中でもありますが、当事者たちから逆恨みされることも少なくなく、時には私生活まで脅かされることもあるようで、本当に大変な職業だと思いました。
印象に残ったキャスト
どのキャストも本当に素晴らしかったです!が、特にあげるなら…
方遠:靳東
人々のトラブルを描く法廷ものながら、全体として重苦しくならず、暖かさや希望を感じられる印象になったのは方遠というキャラクターの存在が大きいと思いますし、また演じられた靳東さんの功績だと思います。
星城区人民法院立案庭の庭長ですが、少しも威圧的な印象を与えず、親しみやすい人柄でいつも保温マグを手に裁判所内を行き来しているような人物。独特な喋り方(百度によると”長沙訛り”らしいのですが)で揉め事を仲裁する様子は、仲間内から「方婶(方おばさん)」「方大姐(=知心大姐から。知心大姐は人生相談欄の女性回答者(的な存在))」と呼ばれるほど。
私も見ていて「面倒見のいいおばちゃん」ぽさをなんとなく感じました。
別に女性っぽさがあるわけじゃないんですが、性質として。
方遠を慕ってなんだかんだと理由を見つけて日参するおじいさんや女性ファン(?)もいたりします。
勿論、そういった雰囲気でも庭長という役職を勤めているわけですから、裁判官としての能力があってのことなのですが。(最終的には引退した彼の師匠の地位を引き継ぐほどです)
弟子たちへの態度や教育方法、上司としての在り方も本当に良くできた人だなぁと感心するほどで、こういう人が上司だったり、自分の担当裁判官だったりしたら、安心だろうなぁと思いました。
本当に魅力的なキャラでしたし、靳東さんも素晴らしかったです。
周亦安:成毅
方遠の愛弟子でドラマ中裁判官補佐→民一庭 裁判官へと昇格し活躍します。まだ裁判官としては新人ですが能力があり、正義感もあって優秀な人材。
この人の性格が…可愛いんですよね〜(デレ)。職務中はピシッとしていますが、普段は明るくて愛嬌がある。師匠へのヨイショも上手で、ヨイショと分かっていても嫌な気はしないという感じ。師匠としても可愛い弟子なんだろうなぁという風に見えます。
最初、高圧的に見えた葉芯の前で不服そうに書類で手遊びしてるところを隣の王姐にピシッと手を叩かれたり、方遠に小突かれたり…可愛いぞ〜!…すみません、盛り上がってしまいました。
私個人的に成毅さんの出演作を見るのがこれでまだ3作目で、今まではクールだったり、王道の二枚目だったりといったキャラでしか見たことがなかったので、本作の周亦安のような愛嬌があって、しかも肩肘張っていないキャラクターを演じられているのが本当に新鮮で、しかも魅力的でした。
この周亦安も優秀な裁判官ではありますが、ある案件のほんの一言で職務上大問題に発展し、その先のキャリアについて進退を悩んだり、これまた職務上逆恨みを買って家族の身の危険を感じたり、といった困難に直面したり、私生活面では恋愛というエピソードもあったりで、成毅さん目当てで見た私的にも見どころが沢山あり、大満足です♪(まあメインキャラですもんね)
またお声やセリフのトーンもすごく良くてですね…私、声フェチなもんですから、すっかりハマっちゃいました。
成毅さんの声自体が低い声というわけでもないのでしょうが、音域が広いというか”下限が低い”んじゃないかなとお見受けしていて、そういう低い声で、しかも柔らかいトーンでセリフを言うシーンなんかは本当に素敵でした。
そう言う点で印象に残っているのは前述の秦玲の離婚訴訟で、担当したのは周亦安だったのですが、末期の癌患者である秦玲に話すトーンが、極めて落ち着いていながらも気遣いも感じられる柔らかい話し方で、本当にいいなぁと思って聞いていました。
あと、めちゃくちゃピンポイントですが、車に相乗りしている葉芯が迎えに来たシーンでの会話中の「嗯〜… 搭 搭 搭」。(「ん〜… 乗せる。乗せるよ」って感じ?)これ誰か共感してくださるかな〜?ほんとにこれの言い方が好きでした。
また逆に、(本作ではあまりなかったですが)大声で怒鳴った時のギャップが大きくてビクッとしてしまうこともありましたが。
(なので今、並行して見ている「長安 賢后伝」が声優さんの吹き替えで「ああ〜違う!!」と、とても残念だったんです。声は大事)
いやぁ、周亦安、すっかりお気に入りキャラになりました。このドラマ見られて良かった!!!
まとめ
成毅さんが見たいと言うチャラい動機で見始めたドラマでしたが、作品自体もクオリティが高くのめり込んで見ることができました。
見て良かったです。
テーマの割には重苦しくなく、生活の中でのさまざまなトラブルが題材となっているので、誰でも関心を持って見られる作品じゃないかなと思います。
作品本編のアップロードが終わった「芒果TV季风频道 MangoTV Monsoon」チャンネルでは、周亦安の登場シーンをまとめた「周亦安成長特集」という、ほんとに私にとっておあつらえ向きの動画も随時更新されているので、それで癒されながらBSの「長安 賢后伝」を残りあと少し、完走したいと思います(だって、あまりにも報われなくて見ていて辛いんですよね)。
同チャンネルには他にメイキング動画などもあって、それも楽しめました♪
《おすすめ記事》
コメント