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【中国ドラマ】「蔵海花 Adventure Behind the Bronze Door」感想:「盗墓筆記」の後日譚作品。サスペンス要素と冒険要素とエモさのバランスが秀逸。これは秀作!!

中国ドラマ

YouTube「騰訊視頻(テンセントビデオ)」チャンネルにて中国ドラマ「蔵海花 Adventure Behind the Bronze Door」(2024)を見終わりました。
全32話。
(ビジュアル、その他情報などはこちら→百度百科
※「盗墓筆記」シリーズまとめ記事はこちら→1:概要・作品リスト編2:キャラクター編

本作は南派三叔原作のサスペンス・アドベンチャー小説「盗墓筆記」シリーズで後日譚にあたる「蔵海花」をドラマ化した作品です。

いやぁ、配信されるまでハラハラでしたね。
撮影は2年ほど前でいつかいつかと楽しみにしていたものの、その後”盗墓ドラマ”の規制の話も出たりして「もしかしてお蔵入り?!」なんて心配したりもしたのですが、今年の8月の終わり、急に動き出したのでした。良かった!

また私自身、本国の配信とタイムラグ無しで見る経験がほとんどないですし、その上作品もシリーズファン待望の最新作とあって、「今、世界中のみんなと一緒に楽しんでる!」と思うとお祭り気分に近いものもあり楽しい経験でしたが、本作の内容自体もすごく良かったです!!

とりあえず現時点で3周したんですが(しすぎ?笑 でも日本語字幕のないものは2周はデフォルトなので)、また今後何回か見ると思います。

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主なキャスト

呉邪(老九門呉家の現当主で骨董店呉山居の社長。大学で建築を学び、持ち前の強い好奇心で呉家の元来の生業と関わりの深い考古学事業にのめり込む。謎解き、骨董鑑定、古文字の解読などを得意とする。あだ名は「天真(=無邪気)」。張起霊王胖子と3人で「鉄三角」と呼ばれる。通称「小三爺」):張魯一

張海杏張起霊と同族だが本家の張起霊と違って外族の人物。張家で若者に課せられる”放野”という試練を張起霊と共に経験した蠍子小隊の一員。張海客の妹):文詠珊

王胖子(北京潘家園で骨董を商っており、古墓についても経験・知識が豊富で腕っぷしも強い。陽気で仲間思いで「鉄三角」のムードメーカー。胖子(=太っちょ)):陳明昊

張起霊(東北張家の現族長。神出鬼没で人並外れた武術の腕前があり、寡黙で神秘的な人物。虫除け・解毒の効果がある麒麟血の持ち主。古墓の仕掛け・罠についても詳しい。鉄三角の一員で、あだ名は「小哥(=おにいさん)」。また張起霊とは個人に帰属する名でなく、歴代族長が継承する名前):張康楽

張海客張起霊と同族だが本家の張起霊と違って外族の人物。張家で若者に課せられる”放野”という試練を張起霊と共に経験した蠍子小隊の一員。張海杏の兄):魏千翔

張念張家外族の人物。蠍子小隊の一員):董暢

張九日張家外族の人物。蠍子小隊の一員):張奕聰

張海客(青年期):虞祎傑

張海杏(青年期):林辰涵

呉邪(青年期):徐振軒

王胖子(青年期):王泊文

※上記でシリーズ別作品に出演経験のあるキャストは、張魯一(ドラマ「老九門」呉老狗:呉邪の祖父)、王泊文(映画「介子鬼城」「黒金古殿」王胖子)、虞祎傑(映画「沙海番外之蚌人」拖把「蔵海花之雪夜凶灯」張海客

※上記以外のシリーズ別作品でも出演経験のあるキャスト…季肖冰(解雨臣)、張帆(金万堂)、高其昌(王盟)、余洺軒(呉三省)。

印象に残ったところ

一言でいうなら「秀作」という感じでした。

ストーリー展開が理路整然としていて、サスペンス要素・冒険要素・人間関係の抒情的な要素がバランス良い

シリーズの時系列で直前となる”「盗墓筆記」《大結局(上)・(下)》”がまだドラマ化されていない為、その中のポイントポイントを描きながらの導入でした。
(《エピソードの前後関係》…「終極筆記 Ultimate Note」→「盗墓筆記」《大結局(上)・(下)》(映像化がまだ!)→「蔵海花」(本作)→「沙海 Tomb of the Sea」…と続く。全体像はまとめ記事をどうぞ)

要は張起霊老九門が交わした取り決めによって、10年間青銅門を守る役目が老九門家当主である呉邪に回ってきていたものの、実際その過酷な役目を全うする技量を全く持ち合わせていない為、代わりに張起霊自身が青銅門に入っており、その5年目にあたるタイミングのお話です。

呉邪の強い自責の念により、せめて張起霊に何か報いることがないかと、彼の代わりに彼が一途に追い求めている彼の来歴、過去を調べている中で、ある出来事に巻き込まれるというのが今回の冒険でした。

張家の外族という張海客たちから「族長(張起霊)の指名により、”夜王”という脅威を解決してほしい」と言われたり、裘徳考を彷彿とさせる外国人から「不老長寿の薬効があると言われる”夜王”を研究するため、捕獲に協力してほしい」と言われたりして、どちらも胡散臭く感じるものの抜き差しならない状況に追い込まれ、いつもは頼りになる小哥張起霊)に今回は頼ることもできず、胖子と二人で右往左往することに。

また、小哥の情報を追い求めて滞在している吉拉修行場で、過去に張起霊と接触していたという于達という師から小出しに情報をもらっており(胖子の例えも秀逸で、本当にゲームのキャラみたいな人物。一つミッションをクリアすると、一つヒントを出してくる、みたいな)、その巻物に綴られている過去のストーリーが、若かりし日の張海客たちとの回想シーンとして描かれたりもしました。

小哥がなぜ一生を棒に振るとも言えるような行為=”族長を受け継ぐ”ことを選んだのか、またその後どのようにして過ごしてきたのか、張家の外族である張海客たちとの関わりや確執、また”夜王”とは何かを探る過程や、必要とされる張家族長が持つアイテム”天杖”とそれを得るための3つの探しの為の地下都市探検、たちや張海客たちとの駆け引き…などなど、興味津々で引き込まれました。

多くの登場人物のストーリーが複数同時進行するため、シーンもいろんな人を行ったり来たりするのですが、謎を謎のままにせず後々スッキリ回収する展開で、本作はシリーズ中でも珍しく”ちゃんとした”(笑)ストーリーだなと思いました。
シリーズ全体のエピソードも随分映像化されているので、そろそろどこかで回収しないと、というのもあるかもしれませんが(笑)

また、”誰が敵で誰が味方か?”とか、”夜王”とは何か?というサスペンス的な要素と、本シリーズのメインテーマである探検・アクション要素、また人物たちの人間関係を繊細に描くパートのバランスも良く、その点でも良い作品だと思います。

また長いシリーズ中、ずっと謎が多く神秘的だった張家についてもかなり具体的に描かれたので、シリーズファンとしても満足度が高いです!!

雨村やってくれるの?!

本作「蔵海花」はすでにドラマ化されている「沙海」の直前の話になりますが、本作ではさらに「沙海」の続きの話も描かれていて、びっくり&嬉しかったです!

「沙海」呉邪パートのラストは潘子のお墓参り後に10年の期間が明けた小哥を迎えに行こうとするところなのですが、本作ではその続きも描かれました!すごい!びっくり!嬉しい!(笑)

つまりエピソード的には本作の31話ラスト(沙海計画についてテロップでサラッと書かれている)の続きに、ドラマ「沙海」(全52話)が挟まって、それから本作の32話へとつながっていくという流れ(ちょっとダブりますが)。

本作の小哥って本当に孤独で重責を背負ってるシーンばかりだったので、ラスト1話だけでも鉄三角の仲間とのんびり雨村で過ごすシーンが見られて、本当にほっこり。
これは本当に良かったですねぇ。

最後の最後

さらにさらに!!
みなさま最終話のエンドロールの後の短いシーン、ちゃんとご覧になりました?!(うるさい)(でも毎話エンドロールは見ていなかったので、偶然最終話だけは最後まで見ていてこのシーンを見つけられました。危なかった 笑)

本編中でもあった、呉邪小哥が一番最初に出会った(すれ違った)シーンのリプライズです。でも呉邪がとびっきりの天真な笑顔で可愛いし、小哥も微かに微笑んでいます。
流れているのは、小哥が滞在していた部屋に置かれていたテープレコーダーに入っていたピアノ曲(の続きかアレンジか→とにかくこの曲エモすぎですよね)。

こういうのに弱い、私!
グッときてしまいました。
もう脳内はあのピアノ曲が永遠にリピートしてます。

本作でわかったこととさらなる謎

いやぁ、スッキリしました。一部については(笑)

小哥と老九門の関係

今までシリーズ作品を何作も見続けてもわからないポイントというのがいくつもありましたが、小哥老九門の関係もその一つでした。

同じ張家でもまだ少しは具体的に描かれた張啓山(や張日山)と違って、小哥(現張起霊)は彼自身の記憶が断片的だったり無かったりする為、過去についてもよくわからないままでした。
でも小哥張家の族長で、張啓山老九門筆頭ながら張家の傍流。
じゃあ、族長の小哥老九門と関わりがないかと言えばそうじゃなくて老九門呉家の当主呉邪と数々の冒険を共にしている。
え?って感じ(笑)

本作であきらかになったのは、小哥が族長を継いでからその能力を老九門に求められ、それに応じた小哥老九門の問題対処を手伝う代わりに、張家の任務であった青銅門を守る役割を老九門が持ち回りで肩代わりするという取り決めがなされていたということでした。
それで老九門の問題対処というものが当時の呉邪の探検と重なることが多かったため、一緒に行動することが多くなったとのこと。要は小哥老九門張家という身分でなく、取り決めにより一時的に老九門のために動いていたと。

なので、呉邪から見て小哥が神出鬼没だった理由もこれなんですね。
ただ結局、老九門はどの家(一族)もその役割を果たしていないとか言ってたような…??(ほんと、ロクでもないな老九門

いやぁスッキリした!!と言いたいところですが…
あれ?「終極筆記」の中では小哥はある時期(呉邪と出会うずっと前)、”絶授”により重度の記憶喪失となって広西巴乃で阿坤と呼ばれ、盗掘の際の危険な囮役を課せられていたことがあり、それから陳皮阿四(老九門家)に引き取られ、彼の元で仕事をし、さらにその後呉三省(老九門家)に招かれ彼の元でも仕事をしたということになっていたと思うんですが、この話はどうなるのかな?と思いまして。

その頃の小哥老九門との取り決めの記憶も全く無くなっていたという可能性もありますが、陳皮阿四呉三省がこのことを知らないはずがありません…が呉三省はこの頃”阿坤”の身の上を詳細に調べさせていたとも言っていたので”阿坤”=小哥張起霊)とわからなかったのか??う〜〜ん。

ところで老九門登場のシーン、引きで大勢の人たちをずらっと並べていたけど、真ん中に軍服姿の人を置いとけば老九門っぽく見えるの、便利だなと思いました(笑)(隣に長袍の人も置いとけばさらに完璧)

小哥と張家の関係

本作のメインともいえる内容ですね。これも長い間気になっていたことでした。

小哥張家の族長とはいうけど、他の張家の人って傍流の張啓山(故人)やその腹心の張日山しか登場していなかったので、他の一族たちがどうなっているのか、とか、そもそも小哥自身も不定期に記憶がリセットされどこで何をしているかわからない人になるのに、その人が族長として機能するのか、というのが大きな疑問でした。

それが描かれたのが本作。
端的にいうと小哥の族長就任と同時に張家は離散しており、なくなってしまったに等しいということ。
現状では族長自身がたった一人の一族という悲しい状態なんですね。

これには張家一族の人々の不思議な体質が大いに関係していたのでした。
この点も長い間不思議だったので興味津々。

遠い昔地球に飛来した隕石に棲み着いていた寄生虫(藍虫と紅虫)が張家人の体質に大きな影響を与えており、藍虫は張家一族の体内に代々受け継がれ、彼らのずば抜けた能力もそのお陰なのですが、同時に成人後、深刻で命に関わる不調(彼ら曰く”天授”)も引き起こす為、それを避ける為の薬としての水源(張家)から離れられない宿命でした。
ただ、天授の解毒薬も存在しており、張家の族長のみがアクセスできる張家古楼にある機関を作動させることで解毒薬を放出できるのですが、歴代の族長は張家人をコントロールするため敢えて解毒薬の存在を隠していたとのこと。
張家の内部抗争により前族長が亡くなり族長代理が管理する時代に(しかも張家自体もかなり衰退していたようです)、この”天授”から全ての張家人を解放すべく小哥に白羽の矢が立ったというのが経緯です(族長の就任には麒麟血を持っていることが条件でもあるそうです)。
小哥としてはずっと昔から孤児として孤独な人生を歩んでいることから、自分の来歴を知りたいと願っており、族長代理から、族長になり張家古楼に入ることで全ての答えが得られると持ちかけられていたようです(その為には張家族長が持つアイテム”天杖”を探し出し、持ち帰ることが必須で、それが成し遂げられる能力も必要でした)。
族長になった小哥張家古楼に入り天杖を使って機関を作動させ解毒薬を放出させることで、全ての張家人天授から解放され自由の身となるのですが、同時に小哥自身は天杖に寄生する紅虫の影響で決して治癒することのない天授=”絶授”となり、その苦痛は何倍にもなるとのこと。
それを聞いても族長を辞退しなかった小哥の悲痛な覚悟が切ないです…。
(しかも族長代理、小哥本人には言いませんでしたが、絶授になった途端かなりの確率で絶命するだろうと予測していました。酷い話です。幸いなんとか乗り越えられましたが)

その後、張家古楼で求める答えを知ることができたはずの小哥ですが、一度得た知識も不定期に来る絶授で忘れたり、記憶・知識・情報などが混乱し前後不覚のような状態になるとのこと。張家の現状を知らない各地の張家の密偵たちから次々に送られてくる張家が介入すべき問題と、小哥の求める自身の来歴に関する情報のヒントとがごちゃ混ぜになり、判断の区別がつかなくなり、結局全てを一人で一つ一つ対処していくしかない人生を送る羽目になったのだと。
これが現在の小哥ということのようです。そして同じ一族の人間があまり登場してこない理由でもあります。

ちょっとまた引っかかるポイントがありまして、張家人の非常な長寿について、これも当然藍虫の影響なんだろうと思えるのですが、小哥の放出した解毒剤で体内の藍虫を除去することができて天授が完全に治癒したとのことだったのに、その後も張家人は相変わらず非常な長寿ですし、戦闘能力も全く衰えてもいず、ただただ無敵の状態です(ただ、怪我などでは普通に亡くなるようです)。
これって???

まあ、とにかく小哥一人を犠牲にして他全ての張家人が自由を手にした訳ですから、小哥(に扮した呉邪ですが)の出動要請に応えるくらいは当然ですよね。(でも族長代理はこれきりだと言いましたが。←セコくない?!)

”它”とは???

”它”。どうやらこれが本シリーズ一番の謎というかラスボスのようです。
意味は「それ、あれ」。

「終極筆記」から言及されるようになったのですが、一見自らの意思を持って活動しているかのような老九門も実は暗に”它”のコントロール下にあるのではないか、という疑いがみんなに浮かび始めています。
”它”とは個人でも組織でもない、もっと概念的な心理的圧力のようなものかもしれないという見解も語られたり。
全ての登場人物の抱える問題の根本がこの”它”にあるような感じにも見えてきています。
(私ははじめ”人間が生まれつき無意識に求める不老長寿への執着”のことなのかなと思いましたが、どうやらそれも違うようです)

で、本作では自身に代わって10年間青銅門に入っている小哥の手助けをしようと情報を集めている呉邪ですが、本作の話が終わって残りの5年(ドラマ「沙海」の内容)では呉邪が壮大な計画を仕掛けて老九門に続く第十番目の家とも言われる汪家を潰しにかかります。
この汪家老九門と違って一族ではない、一つの理念で繋がった大規模な集団なのですが、起源となったのはシリーズでもお馴染みの汪蔵海

小哥は以前自分のやっていることを「当時、汪蔵海のやったことをやろうとしてるだけだ」と呉邪に語りました。で呉邪はその後、小哥不在の後半5年で汪家を潰しにかかっています(結果、わずかに残党が存在するのみとなりました)。
これって”它”汪家ってこと???
それとも汪家すらも”它”に踊らされているのでしょうか?それとも”它”の手先?

まだまだ謎は分かりませんが、とにかく配信が待たれる「蔵海伝」の良い宣伝にはなった…のかも?(笑)

さらに、改めてラスト辺りを見返すと張海客于達の会話で気になることが…。
徳仁の職位は張家に属するが、張家の裏切り者である自分がその職を引き継いでもいいものでしょうか」と問う張海客に「実は当時の張起霊とあなたの計画については全て知っている。あなたが本当に張家を裏切ったのかどうか、私も知っている」「まだまだ先は長い。例外を設けても良いと思う」と于達。頷く張海客
このくだりは呉邪の知らない話です。

それに情報としてですが“盗墓筆記8で呉邪の扮装をしていたのはこの張海客で、それは”它”への目眩しの為だった”…というものがあります。盗墓筆記8とはまだドラマ化されていない大結局のことです。
また「終極筆記」で謎だった格爾木療養所の映像に映る呉邪そっくりの人物が誰だったのか、全く手掛かりがありません。(ちなみに呉邪本人とは年齢が合わない)(こちらはまだ映像作品で名前の出ていない”斉羽(老九門八爺斉鉄嘴の息子?)”という人物の疑いがあるようです)。
呉邪に扮した人が複数いる……。

まだまだ謎はありますねぇ。

キャラクター・キャスティングについて

毎回気になるのはここですよね。特に印象に残ったところについて書いてみようかなと。

張起霊:張康楽

知らない俳優さんで、小哥どうかな〜って思ってたんですが、良かったです、すごく!

特に良かったのはお顔立ち(特に目)と表情、そして鍛え具合(かなり体脂肪落としてますよね)。
歴代の小哥と比べてトータルの雰囲気は”少年感が強いタイプ”かなと思えたんですが(小哥の歴史の中では子役以外で一番若い時代を演じていたのもあるかもしれませんが)、それとは対照的に意思の強さというのが際立った小哥だと思いました。

これまでは肖宇梁さんの小哥(沙海、終極筆記)があまりにもどハマりすぎて、今後それを超えることは難しいんじゃないかと思っていたのですが、張康楽さん素敵でした。それぞれの良さは違うけど私の中では並ぶくらいの良さだと思っています。(表情については私の中で歴代一番かな、くらいの感じです。小哥の表情の変化って本当に僅かですけど。だからこそ)
声も良かったし(ご本人かしら?クレジットには明記されていませんでした。インタビューでもあんまりギャップは感じなかったのですが…)。

本作の小哥は孤独で過酷なシーンが多かったけど、その分、母の白瑪との最後の3日間は効いてたなと思います。それまで一切の個人的な感情には蓋をしていた彼がラマに言われて少しずつ感情というものを取り戻していって、ついには涙を流して膝を抱え込んでしまったところ、切なかった…。

あと印象に残っているのは雪山へ向かっていた時に懐にウサギを連れていたのが可愛かった。どっちも可愛いんですけど!(笑)

ということで張康楽さんの小哥、お気に入りです。

張海客:魏千翔

えー、シンプルに好みです(笑)キャラも俳優さんも。
張海客ってクレジットの並びは妹の張海杏よりも下だけど、本作、ある意味張海客の物語とも言えるなと思うんですが、何か大人の事情でしょうか(これ、張起霊にもいえるのですが)。

若い頃から唯一小哥を庇う優しさもあるし、みんなをまとめる器量を持っているし、落ち着きもある。本作の一連の企みも愛する女性のため(=尼娅塔阿依夏さん。めちゃくちゃ綺麗!)。意外と情に厚いキャラなんだなという感じで。

張海客小哥の二歳年上なんだそうです。ただし張海客曰く張家人の二歳は世間一般とは違うらしいですが。

ラストには自分の罪を償うため徳仁の職を引き継ぎ、一見丸く収まった感じですが(でもかつての仲間張念はさらっとやっちゃってますし、汪家にどういう形で貢献していたのかは謎ですが)、上記でも書いたようにまだ何か終わってないような雰囲気もある。今後「盗墓筆記 大結局」がドラマ化されても登場するのでしょうか?楽しみです。

そして演じられた魏千翔さん。私は「九州縹緲録」以来のまだ2回目ですが、独特のオーラのある俳優さんで、一見抑えめながら強く印象に残る俳優さんだなと今回も思いました。
まあ、私の好みというだけなのかもしれませんが。

《青年期》
青年期を演じられた虞祎傑さんも同じく良かったです。彼はスピンオフ映画「沙海番外之蚌人」拖把役をされていて出演シーンは短かったものの、なぜか「これ誰?」と気になったのを覚えています。

王胖子:陳明昊

待ってましたの陳明昊さんの王胖子。安心の”ドラマ2作の実績”で良いに決まってるものの、”出”の瞬間からフルスロットルで想像をさらに超えて来た、という印象でした(笑)

陳明昊さんの王胖子といえばラップ、殻付き落花生、爆破王子ですが今回もどれも堪能できて大満足。
落花生以外は他の王胖子役の俳優さんでも少し披露されるのですが、陳明昊さんの場合”味付けがかなり濃い目”なんですよね(笑)
でも、ただ騒がしいだけでなく、しれっとした嫌味を敵役にぶつけるところも持ち味。
本作では吉拉修行場の会議のシーンで各個人のテスト評価を配る時、の評価用紙を落花生の殻捨て場にしていたのには笑いました。めちゃくちゃしれっと「あらら、こんなところに」みたいにとぼけて。

本作では呉邪との合言葉「大吉大利」「恭喜発財」が新たに生まれていて、それもすごく”らしくて”良かったなと。張魯一さんと、さすが実力派同士のコンビで息の合い方もバッチリでした。

本作では鉄三角が集まれず、黒瞎子もおらず、小花も身動き取れず(冒頭の通り入院中)、呉邪胖子だけが身内ということでかなり比重が大きいキャラでしたが、陳明昊さんで見られて良かったと思いました。

《青年期》
青年期を演じられた王泊文さんは、先にスピンオフ映画2本で王胖子役を見ているので、すっかり見慣れました。ただ、そのエピソードの時期は本作と変わりないので、やっぱり若すぎるって!と思っています(笑)

呉邪:張魯一

主役なんですけどね、この順番。
いや、演技としては素晴らしかったです。今まで自分の中で出来上がってきた呉邪像から何一つはみ出ておらず期待通りですし、「重啓之极海听雷」朱一さん版の呉邪像とかなり通じるものを感じました。やっぱり実力派の人がやると同じようになるってことはこれが正解なんだなと妙に感心しました。

じゃ何がっていうとやっぱり年齢なんですよね。
この頃の呉邪は33歳のはず。でも本作で張魯一さん演じる呉邪はやっぱりどう見ても40代なんですよね(ご本人の実年齢)。

呉邪の特徴って”年齢に見合わない知識や作戦能力”だったりだと思うんですけど(ある意味意外と老獪だと。本作でも”普通だ普通だ”って言われてますけど、あの聡明さは普通ではない)、年齢がそこそこいってると、それくらいの年齢だったらまあできそうだよね、とも見えると思うんです。そうすると呉邪の強みが一つ減っちゃうというか。

あと、やっぱりどこか呉邪って可愛いんですよね。”人たらし”だし。周りが思わず救いの手を差し伸べてしまうような愛嬌(「重啓」で黒瞎子も言っていました)や人を惹きつける何かがあるというか。まあ本人は全然そんなこと望んではいないんですけど。でもそれはさすがに40代では望めない。
衣装のスタイリングで多少の工夫をしてるようには見受けられましたが、逆にギャップが目立つようにも見えた…かな。私的には。ただ変に若ぶった演技にされなかったのは、本当に良かったと思います。(天真さはもちろん意識されたでしょうが)

なので、その呉邪呉邪らしくある大きな要素が欠けてしまうのが結構残念に感じました。そこが大きな魅力なだけに。

ただ、思ったのは陳明昊さんの王胖子が決まっていた場合、そのままアラサーの俳優さんが呉邪にキャスティングされてしまうと、下手をすれば”親子っぽく”見える懸念もあるかもしれないと思いました。本作の設定というものを知らなければ(そして前後も全く考えなければ)陳明昊さんの王胖子張魯一さんの呉邪はすごくバランスが取れている。
また、嬉しいサプライズでしたが、本作最終話では”十年後”も描かれました。そこにはピッタリです。めちゃくちゃリアルに見ることができました。

《青年期》
青年期を演じた徐振軒さんが本当に可愛くて、また「終極筆記」曽舜晞さんっぽい雰囲気もあって繋がりがいいなぁと思いました。
そして最終話エンドロール後の彩蛋の笑顔の可愛さ!そうそう!呉邪って可愛いよねというのは、やっぱり思っちゃいました。

その他こまごましたことをランダムに

○また原作者の南派三叔さんご出演w 今度は一瞬だけ(そして一瞬だけでもわかってしまった自分に苦笑)

○シリーズお馴染みの人皮面具(マスク)。簡単に作るし、バレないしw まだ張念は人の顔にゴムみたいなのを塗って作ってたけど、呉邪小哥の振りをした時のは本当にどっから出てきた?!

○張家人はすごい長寿で老化もかなり遅いけど、でも蠍子小隊のみんなはそれなりに顔が変わってるのに、小哥だけは全く変わらず。やっぱり麒麟血のおかげ?!

老馮、登場時はマッドサイエンティストみたいだったのに、後々一番まともな人になっちゃった。

張九日って本当に純真な人だったんだなぁと思う。ただただ小鬼(小哥)に会いたかったんだな。彼が事切れる直前の回想で、若い頃に張家の中庭みたいなところで張九日小哥でたわいもない話をしてるっぽいシーンがすごく良かった。

張九日張念のキャスティング、若い頃と現代で人が交代したみたいに見えるのがややこしかった。私だけかな?(若い頃の張念が現代の張九日になったみたいに見えるということです。逆もそう)。二人の会話で「外見を変えて…」というのがあったけど、何かあったのかな?カットされたとか?

○蔵海花が想像と全然違った。”真っ赤な紫蘇”って感じw 「沙海」の時はポインセチアみたいだったのに。

「你老了」

情報で知ってはいたんですけど、青銅門から出てきた小哥が最初に口にした言葉が呉邪への「你老了(歳をとったな)」というシーン。これが見られて嬉しかったぁ。
映像で見るとより良いですね。

小哥が出てくる前、呉邪が「小哥、最初になんて言うんだろうね」なんて気にしてると胖子が「考えるなって。出てくりゃわかるだろう」みたいに返してたけど、本当は呉邪自身が小哥になんて声をかければ良いのかわからなかったんじゃないかなと思うんですよね。
「ありがとう」でも「すまなかった」でもない(あまりに軽すぎるし、やっぱり変だし)、”なんて言えばいいんだろう?っていうか、小哥はなんて言うんだろう?”みたいな逡巡というか。

結局また寝落ちしてしまって、気づいたら目の前に小哥が。
で「你老了(歳をとったな)」。(この時呉邪は40歳手前)

もしかしたら忘れられてる可能性だって十分あったのに、覚えてるどころかしっかり”老け具合”まで認識できるなんて、たまんないですよね(涙)。

そして胖子の弾けるような笑顔。

ああ、いいシーンだった。
(でもそれから「走吧(行こう)」って言って、しみじみ感慨に浸りながら3人で青銅門を後にしたけど、荷物を置きっぱなしにしてるのが妙に気になる私。もう要らんってか?w)

まとめ

いやぁ、長々と綴ってしまいました。取り留めがないですが、ひとまずここまで。
自分でもこんなになるとは思いませんでした。
やっぱりこの「盗墓筆記」の世界観に浸るのは楽しいです。
また、何回か見るだろうけど、とりあえず今は「沙海」を見たい気分です。

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