YouTube 腾讯视频チャンネルにて中国ドラマ「呉邪私家筆記 Time Raiders」(2025)を見終わりました。
全18話。
(ビジュアル、その他情報はこちら→百度百科)
※「盗墓筆記」シリーズまとめ記事はこちら→1:概要・作品リスト編、2:キャラクター編
このドラマのタイトルを聞いた時の第一印象は「これやるんだ!?」でした。同名小説「呉邪的私家筆記」はストーリーというよりは随筆っぽい作品だという認識だったので。
で、蓋を開けてみたらなんのことはない「盗墓筆記」(2015)と「盗墓筆記2」(2019)の”怒海潜沙”部分のリメイクだったというわけでした。
感想を簡単にいうと「スッキリわかりやすいけど、えらくあっさりしてるなぁ」というところでしょうか。
主なキャスト
呉邪(老九門呉家の現当主で骨董店呉山居の社長。通称「小三爺」。大学で建築を学び、持ち前の強い好奇心で呉家の元来の生業と関わりの深い考古学事業にのめり込む。謎解き、骨董鑑定、古文字の解読などを得意とする):徐振軒
呉三省(老九門呉家の三爺。呉邪の叔父。呉家最後の世代の盗墓者で経験、知識も豊富):呉鎮宇
潘子(呉三省の長年の助手。兵役経験があり、サバイバル・戦闘スキルが高い):曹磊
張起霊(人並外れた武術の腕前を持ち、古墓や仕掛けに詳しい、寡黙で神秘的な人物。あだ名は「小哥(=おにいさん)」。虫除け効果がある特別な血の持ち主。人差し指と中指が異様に長い):程相
王胖子(北京潘家園で骨董を商っており、古墓についても経験・知識が豊富で腕っぷしも強い。胖子(=太っちょ)):孫葛川野
阿寧(凄腕の女性探検家):李沐宸
※上記以外のシリーズ別作品でも出演経験のあるキャスト…王韻之(陳文錦役→「重啓」でも同役。また「蔵海花之雪夜凶灯」、「蔵海伝」にも出演)、楊雲棹(金万堂役→「重啓」でも同役)、楊紫茳(青年期の解連環役。「老九門」ではその父親にあたる解九爺役。また「老九門番外之虎骨梅花」にも出演)。
印象に残ったところ
「盗墓筆記」シリーズを本作から見始める方にとっては以下はネタバレになる可能性がありますが、本作は既存ドラマのリメイクで、この先の展開も、本作での謎もすでに他の既存のドラマで明らかになっていることですので、気にせず語らせていただきます。
これがやりたかったんだな、とひしひし伝わってくるリメイク版
冒頭でも少し言いましたが、同名小説「呉邪的私家筆記」(→百度百科)はストーリーというよりは随筆っぽい作品だという認識だったので「どういうこと?」と思っていたら、「盗墓筆記」(2015)と「盗墓筆記2」(2019)の”怒海潜沙”部分のリメイクだったということで。
(まあ、小説の方は「呉邪”的”私家筆記」なので区別があるんだということかもしれませんが)
一応、お爺ちゃん(呉老狗)の遺した「盗墓筆記」に倣って呉邪が自分なりのノートを書いてみよう、という”てい”でこのタイトルなんだそうで。まあそれはそれで”なるほど”ですね。
(ちなみに小説の方は”呉邪が探検する過程で見たもの、聞いたこと、考えたこと、九門の人や出会った人たち”について綴られているようです。私も読んだことはないのですが)
確かに10年前の「盗墓筆記」は特にドラマのオリジナル要素がかなり強い作品だったので、ちゃんと後に繋がる内容で見たいなぁとは思っていましたので、非常にありがたかったです(本作では色々ちゃんと筋が通ってました)。
そして「ほんとはこういうストーリーなんだよ!」という”制作側の”思いをひしひしと感じてしまいました(笑)
ただ、後半の”怒海潜沙”部分は妙にあっさりに感じてしまいまして。
まあ既存の「盗墓筆記2」は呉邪の悪夢のシーンやなんだかんだでやたらと謎めかしていて、ストーリーの本筋というのは少しわかりづらかったかもしれませんが、本作で見てみると「え?これだけのこと?」となってしまいまして。
ま、作り直してこれなんだから、これでいいんでしょうけどね…。(でも、そういえば幽霊船の件がないなぁ…)
見終わった今、改めて「盗墓筆記2」と見比べてみたい気分になりました。

その他細々したこと
○冒頭、登場した金万堂が「重啓」で同役をされた楊雲棹さんで、久しぶり感が嬉しくて(笑)。
金万堂って楊雲棹さんと張帆さんの二人が分担して(?)演じられてるようでなんだか面白い。どちらも微妙に個性が出ているけどちゃんとハマっていて安定感がありますよね。
やっぱり、他のドラマでも同じ役をされた方っていうのは、一目見ただけでもパッと色々思い出して人物像が膨らむので、いいもんだなあと、いつも思います。
○三叔(というか”あの人”)、何回も「呉家の人間はこれだから…」みたいな愚痴をこぼして小さなフラグをせっせと立ててるw
呉鎮宇さんの微妙な演じ分けも良かったと思います。
ところで解連環ってめちゃくちゃ頭がいい人なんですよね、ほんとは。名前の由来も九連環(中国の古典的な知恵の輪の一種)を易々と解いてみせたからとか。本作ver.ではまだ三叔よりもちょっと思い切りが良いくらいのタイプに見えますが、「盗墓筆記2」ver.の”やらかし”具合と考えの浅さはちょっと酷かった…。
○胖子って最初の最初っから触っちゃダメなものを触ってるなぁ(笑)でもただ足を引っ張る人じゃなくて、感覚的には一番一般的(江湖の中ではまとも)だし、面倒見も割といいのでやっぱり欠かせない人材なんでしょうね。本作では呉邪にとってやたら”良き兄貴”的なポジションになってると思いました。おふざけがかなり少なめだったような。
○大奎のストーリーを初めて知ることができて良かった!お早い退場で…。
○呉邪が麒麟喝を飲むくだりがなかったような…。でも大奎の毒も海底墓の毒も一瞬あたるけどすぐに解毒できてる、ということは起こってるんですよね。
本作でそれっぽい”ブツ”が出てきたのは重傷を負った潘子に小哥が差し出した丸薬。あれを潘子が口にするところまでは映ってなかった気がします。潘子だったら自分は飲まずに呉邪に飲ませることも全然あり得ますが…。
ちなみに「盗墓筆記」では呉邪しっかり飲まされてました(本人は倒れていたので自覚なし)。もしかしたら、原作でもどのタイミングで摂取したのかわからないようになってるのかしら?
○青年期の解連環役、楊紫茳さんだ〜!この方、「老九門」(2016)ではその父親にあたる解九爺役を演じておられました。なんだか、年齢不詳なお方…。
○”悶油瓶”(呉邪→小哥へのあだ名)言わなかったですねぇ(瓶邪って言えないじゃん…)。やっぱり本作って少し枝葉を落としてるんでしょうか?
ただ、本作で胖子が呉邪のことをせいぜい”小呉”としか呼ばなかったのは自然だなぁと思いました。
○オープニング、本作の内容以外の他のシーンもたくさん描かれていましたが(特に「老九門」の内容はしっかり描かれていたような)、今後このタイトルで続編を次々作るという暗示なのでしょうかね?(でも「老九門」まで??)とにかく「呉邪私家筆記2」というのは一応決まってるようですね。
どこまでリメイクするんでしょう?
まあ「雲頂天宮」はマストとしてもw 他はもういいんじゃないかと思うんですが。
とにかく「大結局」さえ制作してくだされば!!

キャスティング…というか徐振軒さん呉邪、良い!!
徐振軒さんの呉邪、良かった!非常に良かったです!!
それだけでも本作を見た甲斐があったというものです(笑)
まあ、「蔵海花」でも少ない出演シーンながらも良かったのをすでに見ていますから知ってはいたのですが、やっぱり合ってますよね、呉邪に。
今まで青年期の呉邪といえばマイベストキャスティングは「終極筆記」の曾舜晞さんだったのですが、並ぶくらい良いと思いました。
一見、普通。でも受け継いだ血というのもあって、一筋縄ではいかない感じもある。そしてやっぱり愛嬌というか”可愛がられタイプ”ですよね、なんとなく。
その辺を、周りの”クセつよキャラ”たちに埋もれずしっかり存在感を放っていたという点で、すごくいいな〜と思いました。
なんでも、続く「南部檔案」や「九門」でも呉邪で出演されるとか。時代が全然離れてるのになんで?と思ってしまいますが、また冒頭にお馴染みの「我叫呉邪」で出てくるんでしょうか?
今まで呉邪って同じ俳優さんで複数回演じられたことがなかったのですが、ここにきて掻っ攫っていった感があります。
で、徐振軒さん呉邪と「蔵海花」でも相性の良かった張康楽さん小哥を見たかったのですが、本作ではお初の程相さん。こちらは正直ちょっとピンと来なかったかな…。ちょっとオーラの方が…。
本作で描かれた《七星魯王宮》と《怒海潜砂》の小哥って、まだ仲間というよりは”怪しい人”感が強いんですよね。だからここだけで判断するのもアレかもしれませんが…。
程相さんも「南部檔案」や「九門」でも小哥を演じられたそうなので、またそれから印象が変わるかどうか、という感じでしょうか。まあ私個人的に、の話ですが。
”鉄三角”繋がりで胖子はどうかというと、こちらもお初の孫葛川野さん、なかなか良かったのではと思いました。体型についてはやっと”胖子”を体現される俳優さんで良いなと(笑)
ただ、おもしろ要素はかなり少な目に感じました。どっちかというと”呉邪の良き兄貴分”ポジに終始したような。この辺は脚本の加減によるものでしょうが、それが本作が若干シリアスっぽく感じた要因かもしれないと思っています。(あと、あの胖子独特の喋り方がなかったかも…!)
あと呉鎮宇さんの三叔は、彼の掴みどころのない感じがよく出ていて印象に残りました。
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まとめ
なんだかんだ言いながら、本作も色んな意味で楽しませていただきました。
このシリーズ、どこまで広がっていくんでしょうか?(正直もっと早くに「大結局」が出て、それで終わりだと思ってました。甘かったw)
どこまでついていけるかわかりませんが、今後もゆるゆると楽しませてもらいたいと思います。
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